出版社内容情報
「俺は聞いてない」「私はそんなこと知らないぞ」――上司や取引先の人にこう言われて、困った覚えのある人は多いはずだ。昨年の東日本大震災の福島原発の有事でも、当時の首相・管直人氏が「俺は聞いてない!」といって、東電の現場を混乱させたという話がまことしやかに伝わってきている。この「俺は聞いてない」発言の裏にある心理状況や、そういった「知りたがる」人たちの「聞いた・聞いてない」の裏にある「メンツ」、さらには「セクショリズム」などの日本の企業社会に潜む問題にも焦点をあてる。本書は、「俺は聞いてない!」という人たちの心理状況から、日本企業の権力構図までを徹底的に解剖する!
内容説明
報告したのに、「私は知らない」とゴネる。「あとは任せる」と言ったのにハシゴをはずす。なぜ、エラい人は、「俺は聞いてない!」と怒りだすのか。本書は、そのひと言を発する心のメカニズムから、背後にある「日本的組織」の曖昧さ、権力構造のカラクリまでを徹底的に解剖する。
目次
第1章 なぜ、「俺は聞いてない!」と怒りだすのか?(そのひと言で、すべてが止まる;存在感をアピールしたい上司の心理 ほか)
第2章 「俺は聞いてない!」に潜むメンツと甘えの心理(「俺は聞いてない!」が生みだされてしまう土壌;上司の「甘え心理」を踏まえておく ほか)
第3章 不安をあおる企業社会のカラクリ(責任の分散体質;責任の分散による無責任 ほか)
第4章 日本社会と権力の曖昧構造(権力構造が見えない「状況依存社会」の日本;影響力の5つの基盤 ほか)
第5章 「俺は聞いてない!」の末路と日本の未来(これからの日本の「事なかれ主義」の行方;タテ意識の薄れは、サラリーマン社会に風穴を開けるか? ほか)
著者等紹介
榎本博明[エノモトヒロアキ]
心理学博士。1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。大阪大学大学院助教授などを歴任後、現在、MP人間科学研究所代表。心理学をベースにした企業研修・教育講演などを行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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