朝日文芸文庫<br> 北のまほろば―街道をゆく〈41〉

朝日文芸文庫
北のまほろば―街道をゆく〈41〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 370p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022641588
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0126

内容説明

太宰治が「悲しき国」と嘆いた津軽・南部・下北。稲作が始まって以来、“けかち(飢饉)”に悩まされてきた本州最北端の大地には縄文の豊かな生活の跡が埋まっていた!三内丸山をはじめとする遺跡を巡りつつ、風土に即した生活とは何かを問い、この地が育んだ作家や板画家・棟方志功を思う。

目次

古代の豊かさ
陸奥の名のさまざま
津軽衆と南部衆
津軽の作家たち
石坂の“洋サン”
弘前城
雪の本丸
半日高堂ノ話
人としての名山
満ちあふれる部屋
木造駅の怪奇
カルコの話
鰺ケ沢〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

70
本州最北端である青森県への想いが伝わってきます。遺跡巡りと共に語られる地域が育んだ歴史が興味深いところでした。知られざる縄文の豊かさが詰まった土地に訪れたくなりました。2018/04/29

レアル

61
青森はかつてとても豊かな国だった!から始まるこの物語。しかし歴史がこの地を貧しくしていった。そんな歴史の物語が続く。アイヌやオホーツク文化との影響も納得だし、この地は太宰治の地でもあり宮沢賢治の地でもある。そんな文学のお話も読んでいるともう一度両方の作品を読み返したくもなる。そして青森と言えばリンゴ。最後の子ども達の文集。本当に「北のまほろば」と言うにふさわしい地だ。2017/06/19

Book & Travel

52
寒い冬に読む北の紀行。最近の読書で、会津から移った斗南藩や戦国の津軽・南部氏の歴史が気になっていたので選んだ。三内丸山遺跡も気になる地域だ。司馬さんは太宰治『津軽』や江戸期の菅江真澄の紀行を辿りつつ、下北・津軽両半島を含む青森県一帯を冬・夏2回に亘って旅する。豊かな縄文採集生活、貿易で栄えた十三湊や川内、名馬の産地だった田名部など、涯の地ではなく北のまほろばであったからこそ中央に従わなかったこの地域の歴史が、司馬さんの好意溢れる文章と共に伝わってくる。特に惹かれたのが、板画家・棟方志功のパワーと斗南で~2018/02/06

kawa

40
青森県の津軽と南部地方をゆく。山内丸山や亀ヶ岡遺跡等の発見は、縄文時代のかの地が、列島の中でも豊穣な地であったことを証明したと言う。その先進を阻んだ原因は、大和政権に始まる稲作奨励政策だという分析、「なるほど」と知的興奮を覚える。「縄文時代から迷わずにこの世にきた人如き棟方志功」という表現にも感心。概ね訪ねた場所なのだが、本書をポケットに「北のまほろば(まろやかな地)」を再訪したい意欲が引き出される。2022/01/05

KAZOO

27
青森一色の巻です。津軽から始まり、下北半島を含めてかなり歩き回っています。私も知り合いが五所川原にいたのでかなり青森県をめぐったことがありますが、かないません。恐山や竜飛崎も廻っています。幕末の戦争で敗れた会津藩が下北に移住させられた話は涙を誘いますが、それでも教育のために新しい学校を開いたというのは大したものだと感じました。2014/08/31

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