朝日文芸文庫<br> 本郷界隈―街道をゆく〈37〉

朝日文芸文庫
本郷界隈―街道をゆく〈37〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 295p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022641120
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0126

内容説明

明治初期、お雇い外国人が住み、日本最初の大学が置かれた街。本郷は近代化を急ぐ当時の日本で、欧米文明を一手に受け入れ地方へ分ける“配電盤”の役を担った。今も残る団子坂、菊坂、真砂町、追分などの往来に、夏目漱石、森鴎外、樋口一葉ら、この街を愛した文豪が書き残した面影をたどる。

目次

鴨がヒナを連れて
縄文から弥生へ
加賀屋敷
“古九谷”と簪
水道とクスノキ
見返り坂
藪下の道
根津権現
郁文館
無縁坂〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

56
この地をかつて治めていた加賀藩の物語やこの地縁の子規や鴎外等の文学的な話。そして幕末に活躍した志士たちの若き日の話と盛りだくさんだったが、紀行文というよりはその地に纏わる人たちの物語で、本郷と言われれもあまりピンとこない土地勘ゼロの関西人の私にとってはこちらの方が有り難い。興味を持った稿は幕末の志士たちの物語。幕末に流行した「非常」という言葉。ここから既に次の時代へと向う兆しが出ていたのかと改めて実感した。2017/10/13

たつや

45
このシリーズ初読ですが、こういう本だったんですね。歴史を振り返るガイドブック的エッセイなので読みやすく、見やすい。巻末の古地図も良いし、この本片手に都内の歴史探訪散歩をしたくなりました。2016/11/02

AICHAN

36
図書館本。司馬さんは子規が好きなんだなと思って読んでいて気づいたことがある。司馬さんの小説の主人公の多くが短命だったこと、少なくとも天寿を全うしていないことに思い至ったのだ。正岡子規もそう、源義経、織田信長、真田幸村、有村次左衛門、吉田松陰、高杉晋作、坂本竜馬、近藤勇、土方歳三、河井継之助、大村益次郎、江藤新平、西郷隆盛、大久保利通。彼らに向ける司馬さんの目は優しい。逆に長命した人に対する目はどこか厳しいと感じるのは私だけだろうか。司馬さん自身もあまり長命ではなかった。惜しい人を早くに亡くしたと改めて思う2016/10/22

キムチ27

36
お気に入り本と云うものは心情的に馴染む。斜め読みが勿体なく、薄い一冊を遅読で楽しむ。本郷・・文学の世界では近代化への時間が醸造されたエリア。云うならばその時代に国益をたっぷりかけ保護され、それに応えた人材がぽこぽこ輩出された土地。当然のように司馬先生の溢れんばかりの雑学が随所で噴出しまくる。興味を持ったのは朱舜水・・日本語を解そうともせぬが日本人側が彼から吸収した事。近藤重蔵・・生涯私利を思わず、ひたすら幕府の公益を念ずる、が幕府の意に介せなかった。水戸光圀・・透明な執着力の凄さ。この言い回し、ぴか~ん2015/03/28

kawa

34
このところ青空文庫などで読む機会がある漱石、鴎外、一葉などと縁ある地が多い本郷界隈。偶然、同時並行中の漱石「道草」での自宅や根津権現、追分界隈が地図上でも確認できラッキー。私がリスペクトする一葉、そのお父さんが警視庁で漱石のお父さんの部下であったこと、漱石のお兄さん(「道草」にも登場)と一葉に縁談話しがあったとのことにもびっくり。2021/10/01

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