内容説明
２・２６事件の衝撃、終戦前後の緊迫、さらには戦後の復興に寄せた陛下の意気込みなど、昭和９年から、つねに昭和天皇のお側に仕えてきた故・侍従長が明らかにする、天皇のお人柄と日常。数多くのエピソードを通じて、人間天皇の姿を浮き彫りにする。
目次
陛下との３０年
大事件の思い出
お食事
お宿
芸能
写真
御日常
植樹
子供
巡幸余話
巷間伝説の訂正
戦前戦後の違い
勤労奉士団
外国人
ヒューマニティ
野鳥
御用邸
歌
相撲
吹上御所
侍従というもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やじ
16
昭和天皇の侍従長を勤められた入江氏。 ユーモア溢れる文章でジーンと来るお話ばかり。 ある工場では陛下がいらっしゃる前までは合格品が47%だったが、25分おまわりになっただけで、そのあとは急にハネ上がって93%の合格品を生み出すに至った。なにをなさったかといえばお迎えしている従業員の前をお通りになりながら、およそ10人目に1度ほどの割合でおとまりになって「非常に大切な産業ですから、日本再建のために頑張って下さい」とおっしゃっただけ。 自分の仕事が国家的の大事業であったのかと認識したのだろうと。2022/11/09
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
7
入江相政侍従長による昭和天皇に関するエッセイ。この時期にこれを読むと、どうしても明仁上皇のお人柄、また、ここで描かれている昭和天皇お人柄、この親子お二人の天皇のことを比べて考えてしまう。明仁天皇の繊細な気遣いに比べて、昭和天皇の場合、持ち味である素朴さや、そこから来る面白さが際立つような気がした。しかし親子孫とも、どの天皇も立派な帝だと思わされた。2020/02/06
石橋
1
昭和天皇のお優しいお心持ちが良く伝わってくる。やっぱり「相撲」のシーン、安楽椅子からぐっと乗り出してご覧になるお姿は微笑ましい。2009/10/14
