内容説明
奈良が大いなるまちであったのは、草木から建造物にいたるまで、それらが保たれているということである。大きな活字でよみがえる司馬遼太郎の世界。
目次
近江散歩(近江の人;寝物語の里;伊吹のもぐさ;彦根へ ほか)
奈良散歩(歌・絵・多武峯;二月堂界隈;五重塔;阿修羅 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tadashi_N
32
近江の道は戦国時代と、奈良の道はシルクロードとつながっている。2018/06/19
キムチ27
12
この方の脳内ウェブはどうなっているんだろうとただ感嘆。蘊蓄、知識もさることながら、同じことを表現するのに、心にすとんと落ちるボギャブラリーを駆使している。浅井長政を讃えているが「こんな青年は大学で友にすると良さそう」・・なんて、普通思いつかないわ。 崩れた一部をセメントで塗りたくっている伊吹山・・破綻した文明の弥縫(こんな言葉自体知らなかった)等・・数え切れないトリビア以上のものが詰め込まれている。 柳田、和歌森、宮本氏とは異なるが在野フォークロアとでも言えるのだろうか。 とぽとぽ、全巻制覇を目指す。2013/11/02
barcarola
6
「奈良散歩」がNHKで映像化されて放送されたようだが、本書を読んで印象に残ったのは近江。なるほど、現代(現在)ではあまり目立つものも無い(失礼!)な地域だが、歴史的なトピックは多いようだ。2023/06/23
ランラン
4
再読。近江の建造物は他の地方と違い美の規律を持っている。それは叡山という日本の建築史の正統な構造物の一大密集地帯であり、村大工の技量や感覚の筋が違うからだという。また近江門徒、寺の作法と講でつきあい真宗の絶対他力の教義が言葉遣いや物腰を丁寧にしてきた。このことをとっても近江の歴史・文化を思うと奥深さや典雅さを感じる。2018/10/31
水の都
2
司馬さんと共に湖北と湖東の旅、味わい深いです。奈良では仏教シャワーを浴びました。2013/11/19