出版社内容情報
【文学/日本文学小説】司馬遼太郎のライフワーク「街道をゆく」の全文にあわせ、詳細な用語解説と地図や図版などを掲載。司馬作品に出合う、最初のきっかけに。「本郷界隈?U」では夏目漱石、森?外、樋口一葉ら、本郷の街を愛した文豪が書き残した風景を訪ねてゆく。
内容説明
江戸時代の藩邸跡が、お雇い外国人の住まいとなり、やがて庶民に開放されていく…。明治期にめまぐるしく変貌を遂げた本郷界隈について、司馬さんが執筆していた時期は、バブル経済が崩壊し日本の先行きが不透明になっていた1991年から92年のことでした。夏目漱石の『三四郎』をテキストに街を歩く司馬さんの胸には、日露戦争後に経済状況が悪化していた時代を背景に『三四郎』を描いた漱石に対して、深く共感する思いがあったのかもしれません。
目次
真砂町
給費生
一葉
福山坂
追分
水戸家
傘谷坂の雨
朱舜水
近藤重蔵
秋帆と洪庵
最上徳内
漱石と田舎
車中
三四郎池
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
1923年、大阪府生まれ。大阪外事専門学校(現・大阪大学外国語学部)蒙古科卒業。60年、『梟の城』で直木賞受賞。75年、芸術院恩賜賞受賞。93年、文化勲章受章。96年、逝去。主な作品に『国盗り物語』(菊池寛賞)、『世に棲む日日』(吉川英治文学賞)、『ひとびとの跫音』(読売文学賞)、『韃靼疾風録』(大佛次郎賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かっぱ
32
菊坂台の崖上の寄宿舎には正岡子規がおり、崖下には樋口一葉の住まいがあった。漱石の長兄・夏目大一に樋口家のおなつさん(一葉)はどうかという縁談があった。光圀の命で四方に資料を探し歩いたひとり、佐々十竹。のち彰考館総裁となる人で通称を助三郎。「助さん」より年下の安積澹泊は儒者として学才と文才を兼ね、のち彰考館総裁となる。通称を覚兵衛。漫遊記のなかの「格さん」。永井正峯と最上徳内が最初に算額をあげたのが江戸芝の愛宕神社。漱石の三四郎にみる西遊記。旧都である京都は天竺である本郷へ行くまでの無視できない関所。2016/08/27
ランラン
4
本郷には夏目漱石、坪内逍遥、樋口一葉、正岡子規、森鴎外などが住んでいたとのことですが、近くに藩邸跡地に建てられた大学(東大)があり学問する環境に相応しい土地柄であったことが窺われます。樋口一葉の住居跡にいってみましたが、案内板もなく初めて訪れる人にとっては見つけることは困難です。今も井戸がそのまま残っていて貧しさが感じられました。2018/03/18
yasu7777
2
★★★☆☆ ちょっと人の名前がたくさん出てきてついて行くのが難しかったです。坪内逍遙は私の高校の先輩です。2016/05/29
Kuliyama
0
土地(本郷、根津、湯島天神、無縁坂・・)も登場人物(森鴎外、夏目漱石、岩崎弥太郎、正岡子規・・)も馴染みがあって楽しく拝読しました。2020/05/24