縦横無尽の文章レッスン

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022508423
  • NDC分類 816
  • Cコード C0095

内容説明

小学校2、3年の名作文、魂ふるえる童話『ねずみ女房』、世界の学者たちがインターネットで闘わす、愉快で過激な文明論等…、縦横無尽にテキストを駆使する!文章はどのように書くか。大学で開く実践的な文章講座。学生たちの名文、迷文、実作例付き。

目次

前期第一週 何を書くか、何を書かないか?小学生の作文にひれ伏そう
前期第二週 面白がって、自由に、大胆に、冗談まじりに、好きなようにやってみよう 間違っても、しかつめらしくならないで
前期第三週 真っ直ぐな、素直な文章ばかり書いていないか?理屈はこんなふうに捏ねるのだ
前期第四週 さあ、大胆に、冗談まじりに、一所懸命に、理屈を捏ねてみよう
後期第一週 天才少年大関松三郎の詩を読む これが七十年前に書かれた文章表現だ 言葉の陰にあるものを読み取ろう
後期第二週 筋の通る文章と筋の通らない文章
後期第三週 考察とは物事を明らかにするためによく調べて考えること
後期第四週 考えながら、笑ってみよう 笑いながら、考えてみよう
後期第五週 対象物をじっくりと見てみよう しかるのち、目を閉じる 物事の本質はそれからでないと見えてこない
後期第六週 深く書くとはどういうことか たかが、ねずみの話であるが たかが、はとの話であるが
最後の授業 創作必携 書く前に考えること 書き終えて読み直すこと

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

32
本書は、著者が下関にある大学での文章講座をエッセイ付きで記したもの。テキストは小学生の作文あり、翻訳童話ありとバラエティに富んでいる。これらの中で瞠目すべきは、やはり大関松三郎の詩。この人のことを、これまでは農民詩人だと思っていたが、詩集『山芋』に収録されているのは、なんと大関が12歳の頃につくられたものだった。恐るべき早熟、そして夭折(戦死)。2012/02/24

Maiラピ

26
あ~楽しかった!もっとたくさん講義受けたかったな・・・って感想です。テキストにチョイスされた文章が秀逸です。『ねずみの女房』絵本をこんなに深く掘り下げて読んでることにびっくり。そう絵本の作者は深く豊かに伝えているのに、読者の私がそれを汲み取ってないのだなぁ。“知識欲と好奇心を手放さないこと”“人はどうしてこんなに素晴らしい言葉を頭に浮かべることができるのだろう!”伸坊さんの装幀挿画、著者の日記めいた小文もいい感じ。偶然に来週の週刊ブックレビューの題材がこの本みたいなのでそれも楽しみ♪2011/06/21

紫羊

23
知人からラジオ劇「飛族」を聴くように勧められた。その原作者が村田喜代子さんだった。ほとんど小説を読まないので縁のない作家さんだったが、これを機に一冊読んでみるかと選んだのが本著で、結局小説には食指が動かなかった。しかし幸運なことにこの作品は、良い文章を書くことだけでなく、よく生きることを教えてくれる名著だった。アマノガワという名のイルカ、軍馬の最期の水飲み場、大関松三郎少年の詩と彼の人生…打ちのめされ叱咤激励され慰められた…得難い読書体験になった。2023/02/21

15
村田さんの講義、私も受けたい!平易な言葉でテキスト文章の良さを噛み砕いてくれるので、何をもって名文なのか私でもすっきりわかるし、選ばれたテキストも幅広くて飽きません。生徒さん達がうらやましいです。「読んでみて、文章の何がよいのか理解し、説明できないとよい文章は書けない」おっしゃる通りです^_^;南伸坊さんの挿画がまた可笑しい。「真珠をぶつけられた豚」の困り顔がお気に入りです。エッセイも品よく読みやすかったです。ちなみに作中に出てくる下関市「海響館」内レストランの店長さんは波田陽区のお兄さん。そっくりです。2011/08/03

ふじみどり

14
「よい文章は作者の思いと、狙いと、個性や性分などと、文章力が、思いがけない合体の仕方で功を奏したときにできる。(中略)できのよくない文章のときは、合体し損ねたわけである。とすれば、うまくできなかったときは、自分の人格を損なうものではない。指摘を受けた箇所を正し、出来る限りの書き直しをする。それでいい。」このような気持ちで文章を書かれてきた先生なので、おしつけがましさがなく、文章レッスンに専念できる。テキストの選抜も方々から生徒の興味をひきそうなものを取り揃えていて、親切で楽しい授業になっている。2011/08/26

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