内容説明
折り紙にヒントを得た画期的な工法や、柑橘の風味のする鮎、かけるだけで痩せられる(?)ダイエットめがねなど、ユニークな発想による目からウロコの研究を紹介します。人の幸せに貢献するため、創造的な研究にたずさわる知的探究者たちの熱意に満ちた研究開発物語です。
目次
ネタバレ防止ブラウザの研究(中村聡史)
柑味鮎の開発(赤壁善彦)
対話型顔画像美観化システムの研究(荒川薫)
食べたつもりになるARダイエットメガネ(鳴海拓志)
かわいいの系統的研究(大倉典子)
芋エネルギーが地球を救う(鈴木高広)
建築の音づくり(上野佳奈子)
やわらかボディーのEV(升島努)
工学部機械系の心理学者(葭田貴子)
大学の知財を活用して起業しよう(鈴木堅之)
自らの感性を生かした「人間の幹」サイエンス(跡見順子;折紙工学から折紙工法へ(萩原一郎)
著者等紹介
萩原一郎[ハギワライチロウ]
1970年、京都大学工学部数理工学科卒業。1972年、京都大学大学院工学研究科数理工学専攻修士課程修了。東京大学工学博士(機械工学)日産自動車(株)、東京工業大学大学院理工学研究科教授を経て、明治大学研究・知財戦略機構特任教授、先端数理科学インスティテュート(MIMS)副所長。東京工業大学名誉教授。日本学術会議会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
35
2014年刊。意外な研究を分かりやすく解説する。理解度6割。面白かったのは『ネタバレ防止ブラウザ』。試合の勝敗情報を知りたくない人に、結果を様々に想起させるニセ情報(「○○が活躍」等)及び真逆の情報を混ぜて提供する。情報を信用できなくする訳で、応用が効きそう。顔画像をキレイに「盛る」システムは、ユーザーの画像選択を通じて学習していく。足こぎ車イスの開発も意義深い。印象的だったフレーズは「研究者は職業ではなく生き方」。これから研究やアートは、「勝つことを原理とする支配と依存」から脱するキーワードになると思う2023/04/09
壱萬参仟縁
23
12名の諸先生による、 身近な話題の科学紹介。 大倉典子教授の、 「かわいいの系統的研究」(75頁~)。 アニメのハローキティやポケモンなど、 人工物の感性価値として、 かわいい人工物の研究に取り組んでいる (80頁)。 升島努博士の、 「やわらかボディーのEV」(136頁~)。 リバーストライク型新世代EV、iSAVE(151頁)。 http://アイセーブ.comは面白そうだ。 販売中。58万円。 2014/07/27
森
9
面白いです。子供たちに読んで欲しいです。2015/06/03
もえたく
9
中高生向けに、とっておきの日本のイグノーベル賞の数々を紹介した本ですが、大人が読んでもワクワクします。柑橘が香る鮎、空中サツマイモ栽培によるバイオ燃料、エアバッグボディの車など今後の展開が楽しみです。2014/08/18
ゆうちぃ
6
「足こぎ車椅子の開発」が特に印象に残った。写真みても利用者さんが本当に楽しそうだ。「人間の幹サイエンス」は理解するのに難しかった。文理融合でイノベーションを起こし不可能を可能にしていく過程は全力で応援したいし、国もこういった研究や事業には規制をかけず費用も投じてほしいと切に思った。2024/06/05