出版社内容情報
アンチは14歳の反抗期.おじさんが自殺し,絶望のどん底にいた時に,ヒップホップに心をつかまれた.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
16
伯父の死をラップで乗り越える少年。ユダヤ人とラップという取り合わせが新鮮だった。そんなに簡単にラップってできてしまうものなんだ。2020/07/28
海星梨
6
うーん、なんだろ。読んでる時は「YAやっぱいいぜー」って感じで集中して読めるんだけど、手を止めて読むのやめた時、読了した感じ、「うーんあんまり響かないしおもろくないかも」ってなった。ラップ的にいうなら、フローはよくて聴けるけど、みたいな。翻訳家さんの技量足りてないかも。自殺に対する文化差とか、日本の読者にちゃんと伝わってなくない? だってこれYAでしょ。14歳の中学生がわかるようになってない気がして、ちょっと残念。最初に捕捉的に書いてしまうしかなくない? 実際に作者にあってるなら、前書き書いてもらうとか。2024/04/18
ノンタス
2
イスラエルの高校生はひょんなことからラップを始めることになる。 ステージ名「アンチ」の彼は所属していたグループの「活動」に耐えきれなくなり、もう一人の女の子とグループを結成。大会で彼らと対決することになる。 おじさんの死や仲間意識への疑問をラップで乗り越える感じが素敵。 大学時代、イディッシュ語を教えてくださった先生の、今度はヘブライ語でのご活躍。 訳されながら泣くほど感動的な話だと、先日お会いした時におっしゃっていた。2020/07/17
soran
2
ラップを訳すのはさぞ大変だったろうと思う。リズミカルな文章で、生真面目な男の子がラップと出会って「自分」を、そして「自分の傷」を言葉にして外へ出せるようになる過程を綴る。イスラエルの人々の暮らしが垣間見えるのも興味深い。2020/02/03
shoko.m
2
みんなから反抗的だと思われ、自分でもそう思うようになった14歳のアンチ。あるとき、おじのマティが自殺をした。みんながはれものを触るようにしていたし、父親は、生きたまま死のうとしているように見えた。もやもやしているそんなある日、アンチはラップと出会った……。鬱々とした中でアンチが見つけた恋とラップが、抑え込んだ心の叫びを解放していく様が小気味よい。ラップ部分の翻訳、かなり大変だったのではないかと想像する。イスラエルのYAは、珍しい。おもしろかった。2019/12/26