出版社内容情報
ローマ軍団の百人隊長マーカスは，ブリトン人との戦闘で戦車の下じきになり，栄光あるローマ軍人としての生涯を断念した．傷心のマーカスは，行方不明の軍団の象徴〈ワシ〉を求めて旅に出る．
内容説明
マーカスとエスカが、ローマ帝国の象徴である「第九軍団のワシ」を奪いかえすためにあえて挑戦した困難な冒険の旅。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほりん
29
【祝生誕100年サトクリフを読む】参加。紀元117年ごろ、ローマ人の第九軍団がブリテンを北へ進軍中に消息を絶った。それから、約1800年後、南の地方で翼のないローマ軍団の「ワシ」が発掘された。この謎にせまる物語。主人公は、第九軍団の隊長の息子・マーカス。軍団の象徴「ワシ」を取り戻すため、北へと向かう。冒険物語であるとともに、父への思い、身分や民族の違いを越えての友情や信頼など、心の物語でもある。マーカスと、ブリトン人で奴隷だったエスカの、揺るぎないつながりは特に心に残った。ローマンブリテン三部作の一つ。2019/01/19
Merlin
8
ローマン・ブリテン時代の風俗・習慣を知ることができる。 主人公マーカスは、歴史の冷厳な現実にもまれながら、精神的成長という勝利を得る。それが人生の持つ真の意味だと訳者は言う。2016/03/24
シュウ
8
ローズマリさんの作品は良い。イギリスの歴史を元に執筆をしてあるから、興味がる人にはオススメかな。マーカスとエスカの関係はいいな。2016/01/13
yasu
7
エスカとマーカスの友情、氏族間の戦争、差別、いろいろな要素が複雑に絡み合う中で、物語は語られていく。文化や価値観、戦争の勝ち負け、無意識レベルなど、いろいろな問題が深いところで問題提起されている。とはいえ、マーカスの成長ぶりが気持ちいい作品。2016/04/01
mizuki
4
映画を先に見ました。映画の方は、このお話の中のほんの一部分と言った感じかな？ いろいろと忙しく、図書館に期日が迫っていたので後半は流し読みでした。もう一度きちんと読みたい本です。上橋菜穂子さんや宮崎駿さん、たくさんの後進の作家さんに多大な影響を与えた名作です。2015/03/23
