アキハバラ発 - 〈00年代〉への問い

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  • サイズ B6判/ページ数 234,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000220477
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

なぜこのような悲劇が? 事件を糸口に時代の像を描く。
秋葉原でおきた無差別殺人事件。「犯行そのものはけっして許せないが、犯人の心情には共感する」という、ネットを中心に顕在化した同世代の声をどう受け止めればよいのでしょう。そこには、若い世代が抱える怒りや孤独、不満、不安、絶望など、私達が目を逸らす事が出来ない、いくつもの問題が横たわっています。
本書は、非正規雇用の急速な拡大やコミュニケーション様式の変容など、〈00年代>の流動する社会状況に位置づけたとき、この事件が何を問うているのか、2010年代に向けて浮かび上がってくる課題とは何かを考える緊急出版です。
第一線の研究家や作家、ジャーナリストによるルポや論考、座談会、コラムで構成します。

執筆者:大澤真幸(社会学)、森達也(映画監督・作家)、東浩紀(批評家)、斎藤環(精神科医)、内田隆三(社会学)、佐藤俊樹(社会学)、雨宮処凛(作家)、香山リカ(精神科医)、永井均(哲学)、斎藤美奈子(文芸評論家)、湯浅誠(NPO法人もやい)ほか

座談会:大澤真幸 x 平野啓一(作家) x 本田由紀(教育社会学)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

77
2008年秋葉原無差別殺傷事件についての本。学者やジャーナリスト小説家などの評論対談をまとめたもの。オウム事件などと違い、論壇などでさほど話題にならなかった理由についても。以前からある「原因探し」にするにしてはあまりに陳腐な犯人の背景、派遣社員や非モテの鬱屈や掲示板での頻繁な書き込みについてなど、犯人の動機を「ありがちな物語」に流し込んでおしまいという人もいるが、それよりも一つ踏み込んだメタな内容が目立つ。大事件をネタにした社会評論自体がもうなりたたない時代なのかとも。このまとまりのなさが逆に印象深い。2019/03/17

NICK

6
2008年6月に発生した秋葉原無差別殺傷事件。今となってはメディアなどで改めて報道されることもなくほとんど風化した事件かもしれない。しかし、最近思ったのだが、こうした若者の犯罪というのはその動機において結局「個人の凶行」というか「個人の病理」に還元されがちである。果たしてそれは倫理な態度だろうか? そうした疑問をもって多くの社会科学系の専門家が寄稿したこの本を読んだのだが、実に心強い気がした。個人が起こした事件を様々な観点から社会の問題に広げていくさまは、これこそ学知のあり方だ! と思わされた2013/06/27

袖崎いたる

4
2008年の事件。あれに対する知識人たちの応答。癖が強いのが良い本。ゼロ年代というのはどうも虚しい。2022/11/25

oz

4
初読。2008年8月に秋葉原で起こった無差別殺傷事件について社会学者・哲学者・精神分析家22人の論考集。視点は多いが加熱した報道合戦を経た現在では新鮮味に欠け、何処かで耳にしたような論が目立つ。かつて神戸の14歳が起こした事件の時にはまさに国内総出の社会・家庭・学校を対象にした動機探しを経て、結局は個人の狂気と性衝動に帰結した。その時と同じ轍を踏んでいるように感じる。この事件はこれ以上深く潜れないのか。2009/09/30

takao

2
ふむ2023/12/03

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