内容説明
患者にとって、真に幸福な医療とは何だろう。大ベテランの医師二人と、病に倒れてのち左手による表現を切り拓いたピアニストが、命に寄り添う医療が広がることを願い、豊かな経験を語りあう。
目次
病気が拓く新しい人生
互いを結ぶ言葉の力
見えないものをこそ
「いのちの対話」追記 ありのままと融通無碍
著者等紹介
鎌田實[カマタミノル]
1948年、東京都生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。諏訪中央病院名誉院長。一貫して「住民と共に作る医療」を実践するとともに、チェルノブイリ、イラクへの医療支援も行う
日野原重明[ヒノハラシゲアキ]
1911年、山口県生まれ。京都帝国大学医学部卒業。聖路加国際病院名誉院長・同理事長。キリスト者として患者に寄り添う医療に取り組み、90歳を超えてなお現場に立つ
舘野泉[タテノイズミ]
1936年、東京都生まれ。東京藝術大学ピアノ科卒業。ピアニスト。フィンランドを拠点に活動し、各国で高い評価を受けている。脳出血の闘病後、左手で新たな音楽世界を切り拓いた
村上信夫[ムラカミノブオ]
1953年、京都府生まれ。明治学院大学社会学部卒業。NHKチーフアナウンサー。「鎌田實 いのちの対話」、「ラジオビタミン」などを担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みぃ姉
1
患者中心の医療を追求されている鎌田實氏・日野原重明氏、左手のピアニスト・館野泉氏の対談をNHKアナウンサーの村上信夫氏がナビゲートしている対談集。鎌田氏・日野原氏は志の高い医師として知られる人物であるだけに、医療者に対してやや厳しい感じも受けるが、患者側も両氏の理念を受けた医療者の姿を当たり前とせず、尊重する姿勢を忘れたくないと思いました。2011/01/23
ななこ
0
話を聞くこと。どうやって聞くか。講師のアルバイトにも通じるかも、と思いながら読みました。2017/07/27
壱萬弐仟縁
0
絆は3.11後の呼びかけ、昨年の漢字などで周知のところだ。ここでは、インフォームドコンセントなどの医者と患者の信頼関係が語られる。鎌田實先生の「あなたはあなたのままでいい」(3ページ)とのことばは、勇気づけられることばだ。評者は何年か前、京都駅の新幹線ホームでグリーン車から降り立つ先生の姿を拝見したことがあった。将来の医者の卵を指導している評者からすれば、ただ学力が高いだけでなく、、EQという患者との共感の感性を持ち合わせた医師に育ってもらいたいという思いが強い。患者本位で痛み超克を促進する医師が必要だ。2012/07/26
ひなた*ぼっこ
0
読了2014/07/30