目次
１ なぜ、いま愛国心か
２ 愛国心の起源
３ 愛国心と近代国家
４ 近代日本の愛国心
５ 行動で示される愛国心
６ グローバリゼーションの時代の愛国心
著者等紹介
モーリス‐スズキ，テッサ［モーリススズキ，テッサ］［Ｍｏｒｒｉｓ‐Ｓｕｚｕｋｉ，Ｔｅｓｓａ］
オーストラリア国立大学教授。１９５１年イギリス生まれ。バース大学大学院博士号取得。日本思想史（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
乱読家 護る会支持！
3
むしろ、日本は、先進国では唯一、祖国について学ばせていない国じゃないですか？大戦は100%日本が悪かった、それをもたらした帝国軍の愛国教育は悪だ、だから原爆投下されたのも沖縄戦や都市空襲で民間人が虐殺されたのもアメリカは悪くない、南京大虐殺も従軍慰安婦も日本軍がやった、、、そんな教育が日本人から誇りを奪い、自己肯定感の低い国民性、キチンと自己主張出来ずイジメや過労死を生む国民性を作っているのではないかと、僕は考えます。2015/11/08
がんぞ
2
著者は1951年イギリス生れだが、育った町はロンドンに近く、若者は町を離れるので故郷に知人・親戚は居ないと。大学で日本思想史を専攻、1981年オーストラリアに移住、日本人の夫と結婚。原文は英語。参考文献に田中正造、清水幾太郎など。「愛国心」とはアメリカ独立(と、英米戦争)・フランス革命(ラ・マルセイエーズにより士気鼓舞)以降、宗教勢力の越境的な侵害を食い止めるため、さまざまな儀式と神話で国家を宗教化(生死を超える価値)したもの。その正当性を(左翼らしく)国家が「明日はより良くなる」可能性を信じることとする2014/06/23
ハンギ
1
著者が女性だという事を初めて知った。旦那さんが日本人らしい。言わずと知れた日本学の教授が日本の愛国心について語ったもの。明治の西村茂樹から安倍晋三、鈴木邦男も出てくる。大学の先生も最近右翼っぽい思想を語っているけど、良心的な研究者ほど手放しには愛国心を語りはしないだろう。この本の著者もギリギリまでに愛国心に接近しようと務めているが、いわゆる排外主義にはNO、当然ですね。思想としての愛国心は西洋から輸入されたものであり、西洋も18世紀かららしい。ごく最近の思想ではあるだろうがその影響力は強いと言える。2011/10/18
Gyo
0
「愛国心」の定義があいまいだから、それは「祖国愛」のことを言っているのか、「ナショナリズム」なのか、ちゃんと言葉を使い分けよう。という趣旨のことが書かれていた。「ナショナリズム」の場合、革命にも体制維持にも戦争にも利用される可能性があるから注意が必要。2011/08/14
ニニギ
0
アメリカの９・１１同時多発テロと1990年代以降の日本の愛国心教育を導入として愛国心について考える本。 「サルでも訓練すればアメリカ国旗を振る。だが、それは、サルを愛国者にすることではない」(アメリカの元国連大量破壊兵器査察官、スコトリッター) 「愛国者を自認する人々は、自分の国と他国の両方にとっての恒久的な平和を築くために、貢献しようとするだろうか？」(著者)2011/03/23
