出版社内容情報
日本の西洋音楽の受容史に,自身の生涯と音楽上の体験を重ね合わせ,その背後に西洋音楽の歴史が透けて見えるような,ユニークかつ画期的な自叙伝.自らを語りながら日本の音楽の成立する場が深い洞察によって捉えられる.
感想・レビュー
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ラム
1
TVラジオで馴染んだ柴田の自伝 日本の西洋音楽受容史に関った半生 前半は祖父、父を中心にした家の歴史 医者、化学者等理系の家系で一旦は東大理学部に入るが音楽の道捨て難く、桐朋や芸大で教壇に立ち糊口を凌ぎ草創期の放送に関わることで飛躍していく 多くの人材の育成にも関わる 綺羅星の如き音楽家のエピソードが頻出し興味尽きない 4歳の中村紘子が試験で審査員を唸らせた話、中学生の高橋悠治には既に教わることがなく高校で桐朋を中退してしまった話 その他、斎藤秀雄、吉田秀和、諸井三郎(柴田の師)来日演奏家のコンサート評等2019/06/29