フロイトの技法論〈下〉

フロイトの技法論〈下〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 209p/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784000020190
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0011

出版社内容情報

フロイトの発見した「無意識」とは何か。精神分析に革新的な地平を切り拓いたJ. ラカン。彼の豊穣な思想を伝える講義。絶好のラカン入門書。

内容説明

フロイトの発見した「無意識」とは何か―。変質を被った従来の解釈に対して、フロイトの技法論を分析の実践的観点から根源的に問い直し、精神分析学に革新的な地平を切り拓いていくJ.ラカン。その豊饒な思想の生成が、哲学者のJ.イポリット、F.ペリエをはじめとする分析家たちとの生き生きとした対話を通して、平明かつ直截に語られる。ラカン自身による最初のセミネール。難解で知られるラカン思想への絶好の入門。

目次

心理学の彼岸(欲望のシーソー;リビドーの波動;抑圧の核)
ミカエル・バリントの袋小路(バリントについての最初の発言;対象関係と間主観的関係;象徴的次元)
転移におけるパロール(パロールの創造的機能;De Locutionis Significatione;取り違えから現れる真理;分析の概念)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Z

9
という。転移とは夢や症状のように無意識の表現であり意図的なものではない。夢についてフロイトは顕在夢(具体的に見た夢)と潜在思想(それの表現するもの)を分けたが転移は顕在夢にあたり、これにパロール、転移の潜在思想にあたるものにディスクールという用語を当てはめる。転移は分析の抵抗(分析を妨害するもの)であるが、抵抗は自我によって生じると冒頭で言明される。転移の最初は患者は医者に過去の関係を投影し想像的な役をあてはめ、それに応じて自己も想像的な役を演じるが、その背後に医者はそれを生じさせる過去の光景を探り対話を2018/10/13

Z

9
りわけ象徴に関する説明は詳しく為されない。ラカンの言語学のタームは独自に意味を変えられ、フロイトの事物表象にもラカンはシニフィアンという用語を用いている。ラカンは鏡像段階の理論で理想自我(望ましい先取りされた想像的な自己の全体像で自我のベース)の理論を作ったが、それを深化し自我理想というのを考えた。子どもは親ないし周囲の環境から自己像をさらに磨いていくが、例えばいい子を演じるように周囲から見た規範を自己に取り入れつつ自己像を作り上げていく。このようなそこから見るという取り入れられた眼差しの始点を自我理想と2018/10/13

またの名

8
「今日はひとつジャック・ラカンのテクストを初めて読んでみましょう。私は最近、私のテクストを読み直してみましたが、案外解りやすいですね」ラカン先生が時々ユーモアを炸裂させてくるので対応に困るけど、下巻に入って内容はグッと濃くなる。象徴界の強調がおそらくポイントで、想像的なナルシシズムや双数関係を象徴化する分析行為の弁証法的な意義を何度も述べており、初期ラカンがヘーゲル的論理と象徴化を重視していたことがよく確認できる。自我心理学やユング派の発想が余程嫌だったのも確認できる。ラカンが愛を語るとなぜか凄く魅力的。2014/02/09

yoyogi kazuo

0
意味不明な個所が大半を占めるが、最終部に近い「取り違えから現れる真理」の講義には目から鱗。こういうのがあるから読むのがやめられない。2023/01/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/347477
  • ご注意事項