内容説明
本来、私的な自由である「表現の自由」が、民主政にとって必要不可欠とされるのはなぜなのか。アレント、ハーバーマス、ロールズらの読解を通じて、表現の自由の意義について鋭い考察を加える。また、「萎縮効果論」に着目しながら、アメリカとドイツの判例を詳細に分析、「表現の自由論」の再構築を試みる。
目次
第1章 自由な世論形成と民主主義―公共圏における理性
第2章 市民的自由は憲法学の基礎概念か
第3章 市民社会における法の役割(の限界)
第4章 結社の自由、または「ウォーレン・コート」の終焉と誕生
第5章 アメリカの表現の自由判例における萎縮効果論―ウォーレン・コートからバーガー・コートへ
第6章 ドイツの表現の自由判例における萎縮効果論
第7章 立川反戦ビラ訴訟高裁・最高裁判決への批判
著者等紹介
毛利透[モウリトオル]
1967年京都府に生まれる。1989年東京大学法学部卒業。現在、京都大学大学院法学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鏡裕之
2
表現規制に反対する一人として、勉強のために読書した。ばりばり法学系のお話なので、英文科出身の自分は読むのにずいぶんと時間が掛かってしまったが、非常に有意義な一冊だった。感銘を受けたのは、次の一節である。「表現の自由が保障される社会では、自分にとって不快な言論との共生が求められる。これは、国家が「不快な言論を排除する」という理由で言論弾圧に乗り出すことを防止するために、国民皆が払わなければならないコストである。」。フィクションやポスターに苦情を申し立てている人にも、是非読んでほしい一冊。2016/04/01
check mate
0
前著『民主政の規範理論』の補強的議論+米独の萎縮効果論に関する判例研究+立川ビラ訴訟判決への突っ込み。人権論と統治機構論の接続が図られているが、統治機構論の領域での具体的制度論には踏み込んでいない。後続の書物(統治構造の憲法理論)に書かれることになるのだろうか。2016/02/22
ぴろし
0
読み終わったので、TLOに送付。2015/01/04
わたしはまどほむ派です
0
去年大学で読んだの大好きな本。何度も読みたい。あとで感想追加する2012/06/07
moriteppei
0
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