出版社内容情報
日本における近代的自我の確立をめざして苦闘した西田幾多郎.禅の実践にも励んだ西田は,その体験をいかにして自己の哲学の第一原理としたのか.テクストに徹底的に内在しながら,難解とされる西田哲学を明快に説く.
内容説明
日本における近代的自我の確立をめざして苦闘した西田幾多郎の思索の根柢には、西洋と東洋との哲学的対話というすぐれて今日的な問題構成が存在していた。禅の実践に日日励んだ西田は、その体験をいかにして自己の哲学の第一原理としたのか。テクストに徹底的に内在しながら、難解とされる西田哲学の基本原理を明快に説く。
目次
1 西田幾多郎の思索
2 経験と自覚
3 禅と哲学
4 西田哲学を読む難しさ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さえきかずひこ
13
『善の研究』のさまざまな術語、とりわけ重要な純粋経験の概念について、具体的には「我花を見る。此時花は我、我は花である」(「純粋経験に関する断章」)という西田の命題を著者がきわめて丁寧にときほぐすことで、彼の哲学に入門できる優れた一冊。講演を中心にした構成なので、西田幾多郎に関心はあるけれど難解そうなので何を読んだら分からないという方に心からお勧めします!四章構成ですが、読む順番はあとがき→四→壱→二→三が良いかも。 特に三章は西田と西洋哲学の関係についてベルクソンやヤスパースも引かれているので難度は高い。2019/07/11