教養市民層からのナチズムへ―比較宗教社会史のこころみ

教養市民層からのナチズムへ―比較宗教社会史のこころみ

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  • サイズ A5判/ページ数 444,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784930689955
  • NDC分類 234.074

出版社内容情報

近代ドイツとイギリスの宗教文化の比較というグローバルな視角から、ナチズ
ム現象が、ながらく教養市民層の文化的優位の陰にとり残されたプロテスタン
ト大衆の擬似宗教的政治運動であることを解明。我国戦後歴史学が捉え得なか
ったナチズム現象の本質に斬新な視角から迫る。

内容説明

なぜカントとゲーテの国でヒトラーが?ドイツ・イギリス比較宗教社会史というグローバルな視角から、戦後の歴史学が捉え得なかったナチズム現象の本質に迫る。ここに剔出された教養市民層の問題性は、ドイツ的教養理念に深く侵されてきたわが国のアカデミズムや知的世界にとってもアクチュアルな意味をもつだろう。

目次

第1章 ナチズムへの宗教社会学的アプローチ―マックス・ヴェーバーの英独比較論
第2章 ヒトラーの教養市民層批判―フェルキッシュ運動とナチ運動
第3章 ヒトラーの宗教戦略
第4章 カトリック教徒とナチズム―エリートの問題を中心に
第5章 教養市民層の宗教社会史的位置―イギリスとの比較による俯瞰図
第6章 「ヒトラーの社会革命」論の検討
第7章 ナチ党の地方指導者
付論 近代知識層と救済宗教―ナチズムの問題を中心に

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

15
書名に惹かれて手にとったがビンゴだった。著者は京大教授だけど、『諸君』なんかに書いてるから保守系の人らしくて、批判的リベラルを自認する自分はまたしても複雑な気分。「ゲーテとカントの国でなぜヒトラーが」という問いに対して、ドイツの新教徒と旧教徒の比較、さらに英独の比較を介して、エリートの選抜・育成という問題に注目する。ドイツのカトリック勢力(と社会民主勢力)においては下層出身者にエリートの門戸が開かれていたが、独プロテスタント圏では大卒の教養市民層に独占されて、取り残された新教徒中間層にナチズムは浸透した。2023/04/05

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