出版社内容情報
王朝ロマンの世界を立体的に楽しめる、画期的なビジュアルブック。人形・装束・調度・建物をすべて四分の一のスケールとし、「源氏物語」の雅びな名場面をみごとに再現。平安貴族の暮らしが鮮やかに蘇る。
目次
六条院の完成（乙女）／御願ひの心ばへ
紫上と源氏（初音）／生ける仏の御国
明石の御方（初音）／谷の古巣
空蝉の尼姿（初音）／松が浦島
桜が満開の春の御殿（胡蝶）／にほふ花の色
階下に楽人を召す（胡蝶）／春の調べ
扇で顔を隠す玉鬘（蛍）／蛍の光
明石の姫君と夕霧（蛍）／雛遊び
釣殿での涼み（常夏）／常夏
源氏と玉鬘（常夏）／撫子の花〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
36
『源氏物語』の六条院を四分の一の大きさで勢作、物語の二十の場面を再現した本。カラーの美しい写真で物語の有名な場面が再現されているだけでなく、御殿のそれぞれの部分の名称や調度、装束などについて写真つきで解説してくれているので、当時の貴族の生活がとてもよく分かり、理解も深まります。『源氏物語』を読んだことのある方はもちろん、これから読もうかなと思っている方、古典文学に興味がある方にはとても役立つ一冊だと思います。何より写真が綺麗で、ぼんやり眺めているだけでも楽しく、雅な気分になりました。2016/12/15
HMax
28
光源氏の理想を込めて作った六条院を四分の一の大きさで再現。1000年前の貴族、「あさきゆめみし」のイラストでも理解不能だった所がすかり明確になりました。夏は涼しそうな造りですが、冬は寒そう。玉鬘の巻で光源氏が見立てた装束、どれも素晴らしいが、明石の君の梅の折枝に鳥や蝶がデザインされたものは落ち着いていて一番のお気に入り。2020/09/13
びっぐすとん
17
再読。すっかりリカ活にハマったのでお人形繋がりで再読。４分の1で再現された光源氏の栄華の象徴、六条院とそこで展開されるお人形による源氏物語絵巻の世界。色褪せた絵巻ではわからない細かい衣装の柄や襲色目、吹き抜け屋台とは別アングルの室内の様子。うう、これで雛遊びしたい！明石の姫君ならこんな豪華なお人形セット持ってたかも(もっと小さいサイズで)。しかし再現の見事さはさすが博物館の展示物。衣装も一点一点正確に再現されていて、これだけ作るの大変だったろうな。作品の描写通りの織物を人形サイズで特注したのかな。2022/08/21
びっぐすとん
16
再々々読😅。大河ドラマを観るのに予習を兼ねて再読していたらエンディングで風俗博物館が紹介されていた。大河ドラマは家族以外の男性と顔も隠さずベラベラ喋ったり、几帳とか御簾とかがほとんど出てこないとか、気になるところはあるけど、先が楽しみ。女の人がいっぱい出てくるから華やかだよね。これから綺麗な衣装がたくさん出てくるかな？そういうところも楽しみたいので、この写真集で予習しておこう。2024/01/21
ぺったらぺたら子
15
夢のような本とはこういうものを言う。開いてはうっとり、とじてもうっとり。漫画や映画では現代が忍び込み、想像力も奪われて駄目。模型と人形による源氏の世界のビジュアル化。源氏の参考書として最高のもの、と言いたい。こういう素晴らしい本は絶版にしないでしっかりと残して欲しいのだが。2016/11/29
