感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ
2
個別の小説に入り込み、その世界を深く感じることも、もちろん喜びではあるが、本書のように俯瞰的、多角的に石牟礼道子さんの世界を眺めることも非常に意義深いと感じた。客観的に見ても、作家としての一般的人気や知名度といった面では、第一級とは言えないかもしれないが、私的啓蒙や娯楽としての文学を越えた社会思想家として、紛れもない超一級の作家であったとあらためて感じた。また、近代という時代精神が国内外において明らかに行き詰まりを迎えている現在においてこそ、最も見直されるべき作家であるとも言えるだろう。→(2)2018/03/15
しまゆう
1
新しい倫理の必要性を感じているときに、石牟礼さんの世界に行き着いた。自然と人をもう一度結びなおす、そんな世界のはざまの文学として、表現者として、巫女として、さらに氏の作品に触れ続けたい。記憶にない記憶、原初記憶のようなものが細胞の底から湧き上がってくる感じがある。2016/03/03