攻撃と殺人の精神分析

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攻撃と殺人の精神分析

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  • サイズ A5判/ページ数 301p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784901510318
  • NDC分類 326.34
  • Cコード C1011

出版社内容情報

人はなぜ人を殺すのか。 人間の本性に根ざす「殺人衝動」とは!
性幻想による大久保清や宮崎勤の殺人、フランスの悲しい連続殺人鬼から、親殺し・子殺し・母子心中、病や宗教による大量殺人・戦争まで。ラカン派の若き女性精神科医が、最近までの事例を迫真の筆致で描き、人間の避けられぬ本性を徹底的に分析する。


第1部 性と幻想

第一章 性幻想による連続殺人
・増加する連続殺人 ・残された「刻印」
・「正常」に潜む倒錯 ・大久保清の事例
・象徴的な攻撃 ・二重生活 ・引き金となる事件
・「原父」のイメージ ・連続幼女誘拐殺人
・本当に性的動機なのか ・成人女性の「代替物」
・「解離性家族」の中で ・ビデオ収集強迫の意味
・障害と被害関係妄想 ・祖父再生の儀式
・フェティシズムの構造 ・去勢の脅威
・希薄な性欲と多形倒錯

第二章 拒絶された男の記録
・国境を越える連続殺人 ・生母の拒絶
・最初の性的攻撃 ・第二の拒絶
・要求の二重構造 ・自分が何者なのかわからない
・予言的事件 ・犯行様式の進展 ・模範囚の脱獄
・〈娼婦〉を見る ・一連の〈儀式〉 
・失敗した〈狩り〉 ・〈成熟した〉殺人犯
・浮かび上がる連続殺人犯の影 ・逮捕 
・モンタージュ写真のまちがい ・戻ってきた連続殺人犯
・パニックに陥ったパリ ・一致したDNA 
・動機なき殺人 ・「衝動」の解明 ・〈娼婦〉の意味
・誰のものでもない〈母〉 ・乳房とフェラチオ

第三章 性と幻想
・虐待と幻想 ・性行為の目藤のケース
・男の子にとっての母親と娼婦
・復讐としての殺人 ・精神疾患と母への依存
・「父」と「結婚」の問題 ・遷延したエディプス状況

 第3部 病と神

第一章 病と大量殺人
・なぜ関心が低いのか ・大量殺人と連続殺人の違い
・大量殺人の定義 ・大量殺人の実態と犯人像 
・四つの動機 ・復讐としての大量殺人
・家族大量殺人の構造 
・なぜ、かくも多くの人々を殺すのか
・共通する他責的傾向 ・喪失の脅威
・コピーキャット現象 ・心理的孤立
・精神医学的視点から ・被害妄想 ・「投射」の機制
・自殺願望から大量殺人へ ・自殺と他殺を分けるもの

第二章 神の名のもとに
・宗教戦争とセクトの集団死事件 
・フロイトの宗教の定義 ・宗教幻想の実態
・「父殺し」の仮説 ・トーテムとタブー 
・一神教の成立 ・神と悪魔
・宗教と強迫神経症 ・宗教における攻撃と殺人

むすび 内なる悪を見つめて

あとがき

参考文献


第1部 性と幻想

 第一章 性幻想による連続殺人

 増加する連続殺人

 映画「羊たちの沈黙」、「ハンニバル」、そしてその前日談となる「レッド・ドラゴン」の三部作は、日本でも封切られ注目を集めたが、この映画にも登場するような連続殺人犯が増加しているのは事実である。

 たとえば、2003年11月5日、シアトルのキング郡地裁で、五十四歳の塗装工ゲーリー・リッジウェー被告は、売春婦など女性ばかり四十八人を殺害したことを認めた。単独犯による四十八人の連続殺人はアメリカ犯罪史上最悪であり、被告が塗装工として三十二年間勤め、仕事の合間に聖書を読むなど、周囲から「まじめ人間」とみなされていたこともあって、世界中に大きな衝撃を与えた。

 このような状況を踏まえて、プロファイリングの創始者で、元FBI行動科学課特別捜査官主任のロバート・K・レスラー(Robert K. Ressler)は、1984年9月、イギリスのオックスフォードで開かれた第十回国際法科学協会会議において次のような発表を行なった。

「過去十年間におけるアメリカ合衆国の殺人の新現象は、法執行官および精神衛生の専門家を困惑させている。その現象とは殺人が連続している・モントは、1998年3月に逮捕されたギュイ・ジョルジュをはじめとする何十人もの連続殺人犯の名を挙げ、「皆、フランスの連続殺人犯である。この現象がアメリカの国境をとっくに越えてしまっており、わが国においても広がりつつあることは、疑う余地がない」と述べている。

 このような連続殺人の犯行現場の多くに、自己愛的な性的殺人であることを示す特徴が認められることは注目に値する。殺害行為の性的側面は、殺害前・殺害後の性器挿入、あるいは体の開口部(口、膣、肛門など)への異物挿入といった、象徴的な性的攻撃という形で表われる。被害者と性交しないのに、裸にしているような場合もあるが、これは犯人が性的興奮を感じていたことを示す徴である。この種の殺人を犯すのは、倒錯的な性的快楽を体験するためであり、しばしばサディズムあるいは屍姦をともなう。また、執念深さ、四肢切断、頭部切断、性器切除、眼球摘出、内臓摘出、死肉食なども、倒錯的な性欲動が根底に潜んでいることを示す重要な指標である。・・・・


内容説明

人間の本性に根ざす「殺人衝動」とは。性と幻想に彩られた連続殺人から、母殺し、子殺し、大量殺人まで、犯罪に表れた赤裸々な欲望をとおして、万人の深奥に潜む「内なる悪」を究明する。

目次

第1部 性と幻想(第一章 性幻想による連続殺人;第二章 拒絶された男の記録;第三章 性と幻想)
第2部 親と子の深層(第一章 なぜ子供を殺すのか;第二章 母子心中;第三章 なぜ親を殺すのか)
第3部 病と神(第一章 病と大量殺人;第二章 神の名のもとに)
むすび 内なる悪を見つめて

著者等紹介

片田珠美[カタダタマミ]
1961年生まれ。大阪大学医学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。専門は精神医学、精神分析。フランス政府給費留学生としてパリ第八大学でラカン派の精神分析を学びDEA(専門研究課程修了証書)取得。精神科医として臨床に携わりつつ、精神分析的視点から欲望の構造について研究。日生病院神経科医長、人間環境大学助教授を経て、神戸親和女子大学教授
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感想・レビュー

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香菜子(かなこ・Kanako)

31
攻撃と殺人の精神分析。片田珠美先生の著書。精神科医の片田珠美先生が具体的な殺人事件が引き起こされた精神的な背景について分析しています。なるほどと思わされるところばかりでただただ勉強になる内容です。2018/10/10

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