感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
11
とても重みのある、研究的価値の高い本だと思います。著者の研究に対する誠実さが伝わってきました。日本の最低賃金は、運動主体側が全国一律をずっと目指しつつ、それが政策主体や独占資本が拒み続けたものであり、運動論的視点でみなければならないのだと思いました。そして、最低賃金の思想には、生計費原則を貫くべきであり、ナショナル・ミニマムを保障するものでなければならないのだと思いました。歴史研究として、労働運動や各政党、審議会などでの議論の資料が第一次的で、研究方法としても学べました。2014/10/31