内容説明
『2001年宇宙の旅』にはナレーションの解説がついていた。『地獄の黙示録』のシナリオはベトナム戦争を礼賛していた。『時計じかけのオレンジ』も『タクシードライバー』も実話だった。わからない映画がわかり始める、隠された事実の数々。
目次
第1章 『2001年宇宙の旅』映画史上最大の「マジック」のタネ明かし
第2章 『俺たちに明日はない』『卒業』『イージー・ライダー』ニューシネマという反乱
第3章 『猿の惑星』猿が猿を殺すまで
第4章 『フレンチ・コネクション』『ダーティハリー』アウトロー刑事の誕生
第5章 『時計じかけのオレンジ』レイプとウルトラ暴力とベートーベンがオレの生きがい
第6章 『地獄の黙示録』戦場は本当に「地獄」なのか?
第7章 『タクシードライバー』孤独のメッセージ
第8章 『ロッキー』70年代をノックアウトした男
第9章 『未知との遭遇』星に願いを
著者等紹介
町山智浩[マチヤマトモヒロ]
1962年東京生まれ。早稲田大学法学部卒。宝島社で『宝島』『別冊宝島』『宝島30』編集部に在籍。『このビデオを見ろ!』『おたくの本』『裸の自衛隊!』『いまどきの神サマ』『映画宝島』などを企画編集。95年、洋泉社にて『映画秘宝』創刊。97年渡米してアメリカ各地を転々とする。現在サンフランシスコ郊外在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zirou1984
47
2001年宇宙の旅の解説目当てで読み始めたが、70年代におけるアメリカン・ニューシネマの話も同じくらい面白かった。バッドエンドながらも観客を揺さぶる新しい才能が次々と出てきたのは、旧態依然とした体制によって凋落寸前だったハリウッドの閉塞感が背景にあったという。あの時期だからこそ産みだすことの出来た、後ろ向きな傑作たちーそれは青春時代への憧憬であると同時に、ベトナム戦争の泥沼化によって未来を見失った当時のアメリカのリアリティでもある。それはロッキーの様に、敗北者が勝利のトロフィーを掴んだ瞬間だったのだ。2016/03/29
akihiko810/アカウント移行中
46
60年代後半から70年代にかけて、アメリカで制作された映画の「謎」を読み解く。印象度A 「2001年宇宙の旅」「時計仕掛けのオレンジ」「タクシードライバー」「ロッキー」と、観たことのある映画の項目を読んだ。やはり町山は、映画解説にかけては信頼できるな。どれも名作映画だが、その裏側と制作意図を知ることで、その背景がわかりとても面白くなる。ここに挙げた映画は、やはりまた観たくなった。2023/08/02
青葉麒麟
44
映画評論家ってただ映画観て感想を言う仕事じゃないんだね。ちゃんと資料を集めて調べてその当時の世相等を引っくるめて解説する大変なお仕事だったとは。どうもお○ぎのイメージが強すぎて(^-^;町山さん、本当に凄いな。膨大な資料をを自分なりの言葉にして判りやすくするなんて。映画の背景とか考えた事が無かったから、『2001年宇宙の旅』のあの骨を放り投げる場面から宇宙船ヘの場面に切り替わるショットが核兵器を象徴してるなんて知らないしー。未々自分が映画を浅く観てるんだなぁと痛感した。この本は宝物にしよ。2013/05/21
kinkin
42
映画だけでは見えない意図や背景、いわゆるサブテキストを探っていくのがこの本の主旨と書かれていた。私の好きな『時計じかけのオレンジ』や『フレンアチ・コネクション』『ロッキー』などの制作過程の逸話なども書かれており興味深く読むことが出来た。『時計じかけのオレンジ』は何度も観たが、40年前以上に現在を予言していたスタンリー・キューブリック監督は凄いと思った。2014/04/13
たー
34
カルトムービー篇が良かったのでこちらも読んでみた。先入観なしに見るのも良いけど、背景が分かればまた違った楽しみ方ができそう。全部見た映画だけどまた見なおそう。2012/10/21