内容説明
異形の巨匠ピアニスト・グルダが縦横無尽に語るグルダ・ヒムセルフ。こんなピアニスト、ちょっといない。
目次
1 異端の肖像―「異端」とはマトモと読む
2 グルダという「ジャンル」―俺はいつもグルダを弾く
3 〈間奏曲〉―それ以前のグルダ
4 ジャズからの飛翔―無規範をプリンシプルとして
5 ウィーンの伝統と病―俺はウィーンの自殺者のひとりにはなりたくない
6 〈女性たちとの組曲〉―すべては女のためである
7 〈革命〉―七十年代への前奏曲
8 〈変容〉―八十年代の新たなる「肯定」
9 エピローグ―もうやめにしようか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sun
6
大好きなグルダのインタビュー。ジャズにも熱心になり、モーツアルトの即興性が増し、ベートーベンは戦わず包容するように弾く。燕尾服も着なくなるなど反骨精神の意味が書かれている。俯瞰すればウィーン正統派のピアニスト。「すべての音に命を」。2016/05/25
Chocolat
2
図書館本、超個性派ピアニスト、グルダのインタビューをまとめたもの。とは言ってもインタビュアーのセリフは無く、独演会。かなり強烈な個性で、才能があればこそという感じ。残念ながら図書館にグルダのCDがなかったので、買っちゃいました。2016/08/11
chanvesa
2
肩の力が抜けたざっくばらんな語り口だが、時折鋭いことを言う。照れ屋だけど、絶対的な自信がある、だけどそれに満足しない。ジャズへの傾倒も負けず嫌いに拠るものとは。亡くなった時はひっそりと亡くなったような感じだったが、この人の最晩年の脂が抜けきった時の語り口を聞いてみたかった。2013/04/24