出版社内容情報
《内容》 基礎と臨床を関連づけて説明することによりピントの合った確かな理解が得られ、さらなる学習の興味もわいてくる解説書を企図した“ベッドサイドのBasic Cardiology”シリーズ、好評「心筋細胞の電気生理学」に続く第2弾。ポンプとしての心臓の生理学・生化学とメカニクス、収縮機能低下・改善に関与する因子、心不全を念頭においた治療など、ミクロからマクロまでを、最新知見や自験例をまじえて明解に説く。初学者の入門テキスト、専門医の再学習書、いずれにも適した好著。
《目次》
Part 1 はじめに -心臓の機能を知る面白さ-
1 なぜ心臓が面白いか
2 心臓の働き ポンプ機能を支える緻密なシステム
3 心筋の収縮特性とは
Part 2 分子・細胞レベルで何が起こっているか
-心臓のポンプ機能を支えるミクロのシステムを理解する-
4 心筋収縮の生化学 心筋収縮の基礎を知る
5 心臓のエネルギー代謝
6 冠循環の特性 心収縮・弛緩を支えるインフラストラクチャー
7 心筋収縮と冠循環の相互作用
8 心筋収縮の生理学
9 心室収縮の生理学
10 心筋・心室の弛緩・拡張の生理学
11 自律神経による心臓・冠血管の機能調節
12 交感神経系と心血管系
13 副交感神経系と心血管系
14 長期負荷に対する心機能調節メカニズム
Part 3 なぜ心機能は低下するのか-治療への展開
-ミクロの知識からマクロの現象を知る-
15 虚血性心疾患と心筋収縮
16 心筋収縮低下因子 1)心筋内ATPレベル低下
17 心筋収縮低下因子 2)心筋内Ca2+過負荷
18 心筋収縮低下因子 3)フリーラジカル
19 心筋収縮低下因子 4)冠微小循環障害
20 心筋収縮低下因子 5)接着分子活性化・アポトーシス・生理活性物質
21 心筋収縮改善因子 1)プレコンディショニング現象
22 心筋収縮改善因子 2)アデノシン
23 心筋収縮改善因子 3)NO
24 心筋収縮改善因子 4)血管内皮依存性過分極因子(EDHF)
25 心筋収縮改善因子 5)側副血行,その他
26 心不全と心筋収縮異常 心不全とは何か?
27 分子・細胞レベルからみた不全心の病態
28 心不全の原因疾患 発症機序からみた分類
29 心不全のメカニクスよりみた病態
30 慢性心不全と心室メカニクス 臨床への展開
31 心臓メカニクスからみた心機能の適応と破綻
32 心筋拡張障害と心不全
33 慢性心不全の治療とその展開 負荷の軽減とポンプ機能の増強-利尿薬と強心薬
34 心不全治療への新しい概念の導入 神経体液性因子調節の重要性
35 慢性心不全の治療-その考え方
36 急性心不全の治療の実際
37 慢性心不全の治療の実際
Part 4 基礎研究の知識を臨床にどう生かすか
-ミクロとマクロの統合の試み:21世紀の心不全治療を考える-
38 心不全の治療はどうあるべきか
39 ゲノム医学からみた心不全
40 DNAマイクロアレイ解析
41 SNP解析
42 慢性心不全の診断・治療における遺伝子解析アプローチへの期待
43 おわりに