バイオインフォマティクス基礎講義―一歩進んだ発想をみがくために

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  • サイズ B5判/ページ数 298p/高さ 25cm
  • 商品コード 9784895923439
  • NDC分類 467.3
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 ▼D.W.Mount著の日本語版「バイオインフォマティクス」(MEDSI 2002 年)を補完する位置付けにある、入門テキスト。
▼蛋白質構造データベースの草分けA.M.Leskが著者であり「タンパク質の構造」については豊富な事例をあげて説明されている。
▼独学でも確実に知識が身につくよう、各章末には、内容確認問題とウェブを使用した実践問題全193題を収載。基礎から学びたい学生の教科書としてだけでなく「バイオインフォマティクスは若手にまかせている」というベテラン研究者も必読の書。    

《目次》
1章 序 論
あるおはなし
空間と時間の中の生命
セントラル・ドグマとその周辺にあるドグマ
観測対象とデータ・アーカイブ
  キュレーション,アノテーション,品質管理
ワールド・ワイド・ウェブ
  URL
  電子出版
コンピュータとコンピュータ科学
  プログラミング
生物分類法と命名法
配列を利用した系統関係の決定
  SINEとLINEを利用して系統関係を導く
データベース中の類似配列の検索:PSI-BLAST
タンパク質の構造についての概説
  タンパク質の構造様式の階層
  タンパク質構造の分類
タンパク質構造予測とタンパク質工学
  CASP
  タンパク質工学
医療への応用の展望
  将来
推奨する読み物
練習,問題,ウェブ問題
2章 ゲノムの構成と進化
ゲノミクスとプロテオミクス
  遺伝子
  タンパク質
  プロテオーム
遺伝情報が伝わっていくしくみを探る
  地図の間の地図づくり
  高分解能地図
ゲノム中の遺伝子を探し出す
原核生物のゲノム
  大腸菌のゲノム
  古細菌のゲノム
  マイコプラズマのゲノム
真核生物のゲノム
  酵母のゲノム
  線虫のゲノム
  キイロショウジョウバエのゲノム
  シロイヌナズナのゲノム
ヒトのゲノム
  タンパク質コード遺伝子
  反復配列
  RNA
一塩基多型(SNP)
人類学における遺伝的多様性
  遺伝的多様性と個人の同定
  ウシの家畜化の遺伝的解析
ゲノムの進化
  その遺伝子をちょうだい:遺伝子の水平伝播
  真核生物の比較ゲノミクス
推奨する読み物
練習,問題,ウェブ問題
3章 アーカイブと情報検索
概 説
  データベースの索引の作成と検索語
  再検索
  検索データの解析
アーカイブ
  核酸配列データベース
  ゲノムデータベース
  タンパク質配列データベース
  構造データベース
  “ブティック”データベース
  発現データベースとプロテオミクスデータベース
  代謝経路のデータベース
  文献データベース
  分子生物学データベースとサーバーの概観
アーカイブへの入り口
  分子生物学データベースへのアクセス
  ENTREZ
  SRS
  PIR
  ExPASy
  Ensembl
我々はどこへ行くのか?
推奨する読み物
練習,問題,ウェブ問題
4章 アラインメントと系統樹
配列アラインメント序論
ドットプロット
ドットプロットと配列アラインメント
配列の類似度を調べる
  スコア化の方法
2つの配列のアラインメントを計算する
  変型と一般化
  データベース検索を高速化するための近似法
最適ペアワイズ配列アラインメントのためのダイナミックプログラミング
アルゴリズム
アラインメトの有意性
多重配列アラインメント
多重配列アラインメントから構造を推測する
多重配列アラインメントをデータベース検索に応用する
  プロファイル
  PSI-BLAST
  隠れマルコフモデル
系統学
系統樹
  クラスタリング法
  分岐論的分類法
  進化速度のばらつきの問題
  計算をめぐる考察
推奨する読み物
練習,問題,ウェブ問題
5章 タンパク質の構造と医薬品の発見
概 説
タンパク質の安定性と折りたたみ
  主鎖のコンホメーション
  側 鎖
  タンパク質の安定性と変性
  タンパク質の折りたたみ
疎水性の応用
構造の重ね合わせと構造アラインメント
DALI
タンパク質構造の進化
タンパク質構造の分類
  SCOP
タンパク質構造の予測とモデリング
  CASP
  二次構造予測
  ホモロジー・モデリング
  フォールド認識
  CASP2000でのフォールド認識
  コンホメーション・エネルギーの計算と分子動力学
  ROSETTA
  LINUS
ゲノムにタンパク質構造を割り当てる
タンパク質機能の予測
  機能の分岐:オーソログとパラログ
新薬の発見と開発
  リード化合物
  コンピュータ支援による薬剤設計
推奨する読み物
練習,問題,ウェブ問題
結び
索引

内容説明

本書では、バイオインフォマティクスの基本はすべて網羅しており、特に、配列解析における基本中の基本であるダイナミックプログラミングの解説については、ページ数を割いてわかりやすく説明している。また、著者は、タンパク質高次構造の専門家であり、本書でもタンパク質の構造には多くの事例をあげて説明し、最後の章は“タンパク質の構造と医薬品の発見”としてまとめている。基礎の理解と飛躍のための演習問題193題付き。

目次

1 序論(あるおはなし;空間と時間の中の生命 ほか)
2 ゲノムの構成と進化(ゲノミクスとプロテオミクス;遺伝情報が伝わっていくしくみを探る ほか)
3 アーカイブと情報検索(アーカイブ;アーカイブへの入り口 ほか)
4 アラインメントと系統樹(配列アラインメント序論;ドットプロット ほか)
5 タンパク質の構造と医薬品の発見(タンパク質の安定性と折りたたみ;疎水性の応用 ほか)

著者等紹介

レスク,アーサー・M.[レスク,アーサーM.][Lesk,Arthur M.]
ケンブリッジ大学大学院医学系研究科血液学部門主任研究員。バイオインフォマティクス分野の草分け。セリンプロテアーゼ阻害剤(SERPINS)をはじめとするタンパク質の構造、機能、進化に関して、バイオインフォマティクスの手法を用いて研究を続けてきた。構造の研究をするうえで、機能に関する情報を生かすことの重要性を主張する

岡崎康司[オカザキヤスシ]
埼玉医科大学ゲノム医学研究センターゲノム科学部門教授、理化学研究所客員主管研究員。1986年、大阪大学医学部第一内科学教室に入局し、心臓病専門医として活躍したのち、基礎研究に転じる。理化学研究所ゲノム科学総合研究センター遺伝子構造・機能研究グループチームリーダーとして、2002年末に発表されたマウス完全長cDNAプロジェクトに携わるとともに、FANTOM会議を組織。常に、基礎医学と臨床医学の両方を視野におく。2003年4月より現職

坊農秀雅[ボウノウヒデマサ]
埼玉医科大学ゲノム医学研究センターゲノム科学部門助手。東京大学で分子生物学を学んだ後、京都大学大学院理学研究科生物科学専攻生物物理系博士課程にて、のちにバイオインフォマティクスと呼ばれることになる研究を始める。2000年より理化学研究所ゲノム科学総合研究センター遺伝子構造・機能研究グループにて、マイクロアレイによる遺伝子発現情報を中心としたゲノム生物学を研究し、FANTOM会議に携わる。2003年4月より現職で、キーボードを再びピペットマンに持ちかえ、生物学の発展に貢献しうる真に役に立つバイオインフォマティクスをめざす

小沢元彦[オザワモトヒコ]
翻訳家。東京大学理学部物理学科卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。