内容説明
「私たちのあいだの愛は必然的なもの。でも偶然の愛を知ってもいい。」20世紀と伴走した二人の誕生、出会い、共闘、そして死に至る生涯の真実を、ボーヴォワール晩年の側近が、遺族の証言を踏まえて描いた話題作。
目次
第1章 出会い
第2章 自由の恋人たち
第3章 契約を交わした男女
第4章 悲痛な冷戦
第5章 服従の拒否
第6章 フィナーレ
第7章 最後のキス
著者等紹介
セール=モンテーユ,クローディーヌ[セールモンテーユ,クローディーヌ][Serre‐Monteil,Claudine]
1949年パリ生。モリエール女子校、ナンテール大学に学ぶ。ニース大学の博士論文「シモーヌ・ド・ボーヴォワールの作品と人生における彼女のフェミニズムへの参加」で第三課程の歴史学博士号取得。作家。テレビやラジオのインタビューに応じたり、ボーヴォワールやサルトルに関する講演を行なっている
門田真知子[カドタマチコ]
京都市生まれ。ソルボンヌ・パリ第4大学博士課程修了。新制度文学博士。ソルボンヌ・パリ第4大学、中国社会科学院客員研究員を経て、鳥取大学地域学部教授。日本クローデル研究会会長。20世紀フランス文学、比較文学・文化専攻
南知子[ミナミトモコ]
京都府生まれ。元大阪女学院教員。福井県三国町在住
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラグエル
11
2006年のフランスのテレビ映画を見終わったので。読みやすく読みました。サルトルって、矛盾と不安を、自分の人生ごと位置づけたのかもしれません。浮気の言い訳として思想を構築するのもまあ、悪くな、、、いや、悪いでしょ。よくまあ、ボーヴォワールも付き合ったものです。彼女の度量でしょ、つまり。この二人のすごさって。女だよ、結局。世界を作るのは。2013/08/09
meg
5
愛。ふたりの生きた証が。美しい。 評伝というのか、一つの物語のよう。2023/10/15
月長
4
契約結婚って結局幸せなのかなって考えていた時にふとこの2人が思い浮かび、図書館でこの本を見つけ、半分くらい読んでみた。ボーヴォワールがサルトルの恋人の存在に苦しんでいたのを見る限り、やっぱり人は期待をしてしまうものだし、契約だとわかっていても辛くなってしまうものなんだなと思った。完璧な形の契約結婚って存在するのかな。2023/09/24
Junichi Watanabe
2
#読了 。才能に惚れ合ったふたり。肉体の歓喜よりも尊いのだろう。愛を語る恋人と言うより共に闘う同志的な愛。凡人には分かりようでわからない領域だ。それより半世紀前のフランスの女性の地位の低さに驚き。ボーヴォワールがいかに今のフランスは元より日本をはじめ各国の女性地位向上に影響を与えたかを知った。2023/10/28