内容説明
帝政ロシア時代から日露戦争、ロシア革命、第1次世界大戦と、ブロニスワフ・ビウスツキの生涯は、ポーランドの歴史そのものの体現であるかのように、戦乱と時代に翻弄された。ロシア皇帝暗殺未遂事件に連座して樺太に流されたポーランドの人類学者が北辺の地でロウ管に採録したものは何か。その足跡を追い、“幻のロウ管”の謎を解く。
目次
第1章 樺太流刑時代(原住民とともに;古びたロウ管;よみがえるアイヌ古謡)
第2章 祖国ポーランドへ(埋もれていた資料;ポーランド気質;「連帯」は死なず;鉄の男)
第3章 解明されるロウ管のナゾ(漱石のロウ管;ブラームスのワルツ;国際シンポジウム)