内容説明
出世作「おかかえ猟師」から最後の作品「いいなずけ」まで、時代を越えて世界中で愛されている小説の代表作・傑作全29編収録。
著者等紹介
松下裕[マツシタユタカ]
1930年、朝鮮鎮南浦府生まれ。早稲田大学ロシア文学科卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
40
短篇29篇を収録。 チェーホフは戯曲を少しだけ読んだことがあったものの、小説のほうは初読だったが、ビターなテイストが堪らない。 癖になりそうだ。 沼野先生のチェーホフ論『チェーホフ 七分の絶望と三分の希望』も、読んでみたい。/ 「ふさぎの虫」: 息子の死のことを誰かに聞いてもらいたいが、誰にも聞いてはもらえぬ辻橇屋の老人。ラストは、フローベールの「純な人」を思い出す。/2022/01/23
春野原
0
ロシアの庶民の生活を、表現豊かに書いた秀作ばかりです。ロシアには1度も訪れたこともないが、その情景や色、風や匂いまでも感じることができた。そしてそこに暮らす人々は、言葉も風習も違うけれど、その人間の本質と言うものは、私たち日本人と何ら変わりがないと教えてくれる。チェーホフの人間愛に溢れた作品です。