叢書言語の政治<br> 近代芸術の五つのパラドックス

叢書言語の政治
近代芸術の五つのパラドックス

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  • サイズ A5判/ページ数 284p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784891764098
  • NDC分類 702.06
  • Cコード C0070

内容説明

印象派、前衛、キュビスム、シュルレアリスム、抽象主義、表現主義、ポップ・アート…。十九世紀以来、絶えず「否定」と「変化」を繰り返してきた芸術を、「進歩」という概念で物語ることは可能なのだろうか?一過的なもののなかに永遠の要素を含み、またそれゆえに新と旧との果てしない交代のサイクルから逃れえない「現代性」…ボードレールが憂愁とともに予感したその概念の二面性を、近代芸術は克服できたのだろうか?学者的博識と緻密さに、鋭利な批評家的資質を併せ持つフランスの気鋭が、「作品の自律化/純化」という近代芸術の歴史観に抗し、そこに潜む五つの背理を緻密に分析しつつ、ポストモダン芸術の可能性を模索する。

目次

序論 近代の伝統、近代の裏切り
第1章 新しいものの魅惑―ベルナール・ド・シャルル、ボードレール、マネ
第2章 未来信仰―前衛と正統的物語
第3章 理論とテロル―抽象とシュルレアリスム
第4章 愚者の市場―抽象主義とポップ・アート
第5章 息を切らして―ポストモダニズムと変節
結論 ボードレールへの回帰

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラウリスタ~

3
いろんな研究書書いているコンパニヨンの本。19世紀から20世紀にかけてのフランス美術を、近代性っていう切り口で見る。具体的というよりかは、概説的で抽象的に近代美術史を見直す。特に目新しい点は無かったが、20世紀美術へのつながりっていう観点から19世紀美術を見直せる。近代性っていうコンパニョンお得意の観点からの議論も面白いか。2012/11/25

schelle

0
どの講義でも使われる教科書2016/06/06

いたま

0
コンパニョンは現代のフランスにおける著名な文学批評家の一人。本作はモダニズムやポストモダニズムといった思想史的なキーワードを芸術、文学の両面から概説的・通史的に扱っている。芸術が直面してきた理論的づけの必要性の問題や、過去の芸術を刷新するという進歩主義的なドグマが直面する難問を、時代ごとの主要な芸術潮流の解説と共に論じている。大まかには「新しさ」(前衛性)という必要が資本主義に組み込まれていき、最終的にはポストモダニズムに至り全てが承認されるといったようなビジョンが提示されている。わかりやすく面白い。2021/01/18

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