内容説明
昔話は独特の様式と構造をもっています。本書は、「こぶじいさま」「三びきのこぶた」などの誰もが知っている昔話を具体的に分析し、その語りの特徴や構造のもつ意味、昔話の残酷性について考えます。そして、絵本化された昔話絵本を場面ごとに読み取り、その魅力と面白さに迫ります。昔話と昔話絵本の世界をトータルにとらえた、フェリス女学院大学のオープンカレッジでの講義をまとめました。
目次
はじめに―昔話の背景、阿蘇に生まれ育って
1 昔話・昔話絵本とは何か―昔話の意味するもの
2 昔話のテクスト(文体)―昔話と語り口
3 昔話の構造と絵本のイラストレーション―昔話絵本のイラストレーションを読み取る
4 昔話と語りの構造―「こぶ取りじい」の構造分析
5 昔話から学ぶおおらかさ―昔話と伝承の姿
6 名作絵本の背景を語る―昔話絵本と創り手たち
7 「三匹の子豚の物語」を考える―昔話「三匹の子豚の物語」の読み取り
8 昔話の残酷性を考える―残酷性と子ども
9 昔話絵本とその可能性―絵本『三びきのこぶた』をめぐって
著者等紹介
藤本朝巳[フジモトトモミ]
1953年熊本県生まれ。青山学院大学英米文学科卒業。米国ポートランド州立大学留学、白百合女子大学児童文学科博士課程修了。フェリス女学院大学文学部英文学科教授。日本イギリス児童文学会理事。絵本学会運営委員。JBBY(日本国際児童図書評議会)、日本口承文藝學會等会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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