内容説明
「それで日本の国民はどんな運動をしているのですか。どんな国も黙っておれば政府は何もやってくれませんよ」このドイツの住宅運動家の言葉からも窺われるように、欧米の豊かな住宅環境は、住民たちの様々な主体的な運動によって勝ち取られたのだ。米英仏独等を現地訪問に基づき、その現況と住宅改善運動の歴史をつぶさに紹介するとともに、彼らの住宅をめぐる「生き方」の追求を通じ、わが国の住民運動と草の根民主主義の成長を強く促す。
目次
第1部 アメリカのデモクラシー(シカゴのルネッサンス;不動産会社が寄付したドヤ街女性センター ほか)
第2部 イギリスの社会主義(戦争便乗の家賃値上げは許さない―第一次世界大戦下グラスゴウの家賃ストライキ;住宅かけこみ寺「シェルター」―ホームレスをなくそう ほか)
第3部 フランスの居住思想(ラ・クールヌーヴの反乱;それは一人の幼児の凍死からはじまった ほか)
第4部 西ドイツの住宅哲学(シュトルベルクの闘い;生まれかわったシュトルベルク)
著者等紹介
早川和男[ハヤカワカズオ]
1931年奈良市に生まれる。1955年京都大学工学部卒。長崎総合科学大学教授。日本福祉大学客員教授。神戸大学名誉教授。日本居住福祉学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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