出版社内容情報
都市共同体的な古く小さなロンドンが巨大化・近代化する際に直面した諸問題を社会経済史学会66回大回以来討論し,パリ・江戸と対比し,さらにロンドンにかかわる諸論文を加えて巨大都市(・giant・city)を視る
内容説明
本書は『巨大都市ロンドンの勃興』と題し、ロンドンが都市共同体的枠組みを破り、巨大化し、また近代へ向けて変容してゆく際に直面した諸問題を検討している。
目次
第1章 近世ロンドン史研究の動向と課題―「危機」と「安定」を中心に
第2章 近世ロンドンにおける郊外―イースト・エンドとウェスト・エンド
第3章 近世前期ロンドンの「秩序」と「無秩序」―浮浪・酒場・騒擾を中心として
第4章 王政復古期以後のロンドン社会―安定をめぐる議論の視座から
第5章 近世パリの「危機」と「安定」―パリ史からのコメント
第6章 17世紀の江戸
第7章 14世紀ロンドン市民の孤児と未亡人
第8章 イギリス革命期ウェストミンスターにおける教区政治をめぐって―セント・マーティン教区の救貧行政を中心に
第9章 16、17世紀前半ロンドンの職業構造変化とリヴァリ・カンパニー―「ミドリング・ソート」形成への展望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hmpndrf
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都市史の人たちの論文集。タイトルから分かる通りだいたい17世紀の話なので、変動論みたいな話が結構入ってます。それが前半。で後半は当然というかなんというか社会史・文化史の話で、俺はちょっと力尽きて読みとばし。ヴェーバー都市論との関連でいうと、巻頭論文だったかな、中世都市ロンドンと近世都市ロンドンとの間に断絶を見るか連続を見るかみたいな話が役に立った。まあどっちの論者もいるよ、程度の話なんだが、それでも貴重なレファレンスでありがたい。創作資料としては治安の話とかが面白いと思ったのでいくつか抜き書き等した。2012/12/03