出版社内容情報
第8回(1997)カナダ首相出版賞受賞;カナダと日本の歴史学者の協力によるユニークな通史。フランスの植民地ケベックから始まり,しかしいまだにイギリス性から脱却しきれず,「大英帝国の忠誠な長女」と呼ばれるカナダは,同時に最も先進的な多民族国家でもある。このユニークな若い多文化主義の国は現代国家のモデルとして注目を浴びている
内容説明
1997年度カナダ首相出版賞受賞。イギリスからけんか別れした「粗野な長男」アメリカとは反対に、「大英帝国の忠誠な長女」と呼ばれたカナダは、母なるイギリスから何を継承し、いかに修正して独自の国家を形成したか?日本とカナダの第一線研究者の協力によるユニークな通史。
目次
第一部 征服から自治へ(カナダ獲得への英仏抗争;英領化北アメリカ植民地の創出;責任政府への移行)
第2部 大陸横断国家の建設(自由貿易帝国と連邦結成;自治領ナショナリズムの成長;ローリエと帝国主義の時代)
第3部 コモンウェルスへの再編と共存(帝国同盟の興隆と衰退;「偉大で明白な義務」の到来;円熟のパートナー)
感想・レビュー
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もとせ
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212頁引用【円熟のパートナー/イギリスとの絆は、カナダ人の日常生活にとって非常に重要なものであり続けた。第二次大戦中に米加間で形成された強固なつながりにもかかわらず、そしてイギリスの力と名声の相対的低落にもかかわらず、カナダ人の大半は、その出生、家族、国家としての起源、政治的・文化的な啓発、貿易や商業、それに心理的な依存といった点でさえ、大西洋を越えたイギリスとの強い絆を感じていたのである。カナダがイギリスの側に立って戦った第二次大戦は、明らかに英加間の絆をいっそう強化していた。】2012/06/24