内容説明
その最終章の『歓喜の歌』が、今やEUの歌にさえなった『第九』、その政治的読解を試みる。『第九』が誕生するまでの思想的・歴史的背景、誕生以後の『第九』の政治的受容をダイナミックに捉える。
目次
序論 “歓喜”の諸状況
第1部 近代政治音楽の誕生(『ゴッド・セイヴ・ザ・キング』とヘンデル崇拝;『ラ・マルセイエーズ』と最高存在;『歓喜の歌』と『皇帝讃歌』;ベートーヴェンとヨーロッパ協調 ほか)
第2部 『歓喜の歌』の政治的受容(ロマン派の崇拝;一八四五年ボンの祝典;ナショナリズムの時代の『第九交響曲』;一九二七年の没後百年祭 ほか)
結論 夢の批判と将来
著者等紹介
湯浅史[ユアサフミ]
立教大学大学院修士課程修了、フランス政府給費留学生として渡仏、パリ第三大学I.P.F.E.修了。現在、立教大学講師
土屋良二[ツチヤリョウジ]
東京外国語大学大学院修士課程修了。現在、津田塾大学、白百合女子大学ほか講師
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