内容説明
終戦50周年メモリアル出版。6年にわたる壮絶な民族間闘争、4600万人にのぼる死者、数億人におよんだ悲惨な災厄を、厖大な資料を基に、イギリスの著名な軍事史家が描ききる。
目次
ドイツ軍のポーランド侵攻(1939年9月)
ポーランド敗北(1939年10月)
フィンランドの抗戦(1939年11月)
スカンジナビアの戦場(1939年から40年にかけての冬)
ドイツ軍の西部攻勢(1940年5月)
ダンケルク(1940年5月)
対フランス戦(1940年6月)
フランスの苦悩、イギリスの決意(1940年6~7月)
対イギリス戦(1940年8~9月)
“われ勝てり!”(ヒトラー)(1940年10月)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
44
約30年前に出された書。上下2巻各2段組500ページ超というヴォリュームの内容は、いかにもイギリスの歴史家らしい、時系列で丹念に出来事を追っていくもの。それぞれの章に主題はあるものの、その日の別の出来事が挿入され、まるで新聞でも読んでいる気分(ただし当時こうした全方位の記事はあり得ないが)。その分人に対する評価は抑制的でビーヴァーのものとは感触が異なる。しかし淡々と「ユダヤ人が〇〇人銃殺された」といった内容が繰り返し出てくるのを読むにつけ、ひとくくりで650万人というのとは全く異質な事実に驚愕させられる。2020/05/16
Ryosuke Tanaka
2
第二次大戦史が、開戦から時間を追って綿密に描かれている。歴史ものは教科書的記述に陥りがちな印象だが、マクロな戦局の描写の合間を縫って各国指導者や虐げられる人々のミクロなエピソードが随所に挟まれることで、あくまで戦争が「殺人」であることを意識させる。とはいえ、はじめの数章を過ぎると想像力が追いつかなくなり、だんだん何万人死のうともある種「どうでもよく」見えてくるのが恐ろしいところ。2011/11/20