目次
マケドニアの婚礼の宴
アテナイの宴の簡素さと、よその国の豪華さ
地方ごとの好み
口開け―食欲を増進させる食べ物
ホメロス風アテナイ式晩餐讃歌
アテナイの賢人たちの宴会観
スパルタの食事
スパルタ王クレオメネスの宴
クレタの宴
ペルシア人の宴〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
饗宴では、抽象的な議論に向かう時もあれば、他愛ない会話が続く時もある。前者に向かえば哲学史に組み入れられ、後者に向かえば歴史資料として扱われる。が、それは言葉の力を意味に制限した偏った見方にすぎない。著者は、宴なる言葉に様々な土地の名をひも付けし各々の土地の料理や音楽をさらにひも付けして、言葉の連想の力を縦横に行使する。抽象的議論での言葉が一つ一つ意味を担って論理による伽藍を作る建築材なら、本書の連想的な言葉はバザールに貼られたテントに見える。前者の言葉は多数の声を一つにし、後者では多数の声を交差させる。2019/07/27