内容説明
週に一回、「お茶」の稽古に通ううち、気がつけばもう25年。「失恋」「父の死」「コンプレックス」…、辛い季節を「お茶」とともに乗りこえた、感動の成長ヒストリー。
目次
茶人という生きもの
「自分は何も知らない」ということを知る
頭で考えようとしないこと
「今」に気持ちを集中すること
見て感じること
たくさんの「本物」を見ること
季節を味わうこと
五感で自然とつながること
今、ここにいること
自然に身を任せ、時を過ごすこと
こもままでよい、ということ
別れは必ずやってくること
自分の内側に耳をすますこと
雨の日は、雨を聴くこと
成長を待つこと
長い目で今を生きること
著者等紹介
森下典子[モリシタノリコ]
1956年、神奈川県横浜市生まれ。日本女子大学文学部国文学科卒業。『週刊朝日』のコラム「デキゴトロジー」の取材記者を経て、1987年にその体験を描いた『典奴どすえ』(角川文庫)を出版。それ以後、体験ルポ、エッセイなどを雑誌に執筆している
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感想・レビュー
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❁かな❁
194
とても素敵な作品でした♪森下さんは大学生の頃から25年間お茶を習われています。習い始めた頃から今までのことを丁寧に書いて下さってます。私はお茶を習ったことないので今作を読んでここまで一つ一つの事が深いことに驚き、人生にとって大切な事が学べるなぁと深く感動しました*五感全てが研ぎ澄まされ心で色んなことを感じる事ができる。お茶の世界がこんなに素晴らしいとは。心に残る言葉がたくさんありました。この本を読むとお茶を習いたくなりますね!お茶を習う機会がなくてもこの作品を読むといろんな言葉が胸に沁みます。お気に入り♡2015/04/04
紫 綺
151
そこに居る、というだけで私は存在する。人が何と言おうが、季節は巡る。極めれば見えてくるものがあるのだな。読メで知らなければ出会えなかった、眼から大ウロコの一冊。何だろう森下さんの文章が、すっと自分の中にも融け込んでくるような気分になった。2015/05/13
モルク
104
15年近くぶりの再読。当時は「茶道」は奥が深いなとか、継続は力とかを感じていた。学生時代の友人がいとこのミチコちゃん(映画では多部未華子さん)であることを知り再びこの本を手に取ってみた。確かにあの頃の彼女がそこにいた。そうしてみると見える景色も違うものとなってくる。以前はさらっと受けとめた季節、花、雨、水、音…すべてのものがいとおしくなる。年をとったせいか今更ながら気づくことも多い。とても大切なことが一杯書いてある本。再読してみてその良さがしみた。2023/02/21
依空
79
茶道を通して著者が気付き得た一つ一つの事柄を、丁寧に分かりやすく、何より肩肘張らず素直に書かれている為、こちらにもすとんと落ちてくるものがあります。茶道とは、日本の文化とは、何て奥深いんでしょう。年月をかけて少しずつ著者の五感が開いていく様子、そして五感の全てで季節を味わうことの鮮烈な描写に、鳥肌が立ちそうでした。書かれていることを自分の体に馴染ませるには至らないけれど、季節や日々の移ろいに目を向けて心豊かに、そして「一期一会」と「日日是好日」の言葉を噛みしめて、日々を大切に生きていきたいと思いました。2016/02/05
mayu
76
今までお茶というと和菓子が食べられて作法を学ぶのかなと思ってました。ところが奥が深い。季節を感じ、すべての五感で味わい想像力で体験する。気づくこと。一生涯、自分の成長に気づき続けること。学びとはそうやって自分を育てることなのだ…と。とても大事な物を教わったように思います。2019/02/05