内容説明
行動する音楽批評家・間章。即興をめぐる新しい価値観を開示し、演奏の本質を剔抉するジャズ論集。単行本未収録原稿、多数収録。
目次
1(エリック・ドルフィ試論―不可能性と破片;エリック・ドルフィと『カンヴァセイションズ』をめぐる十の断章)
2(スティーヴ・レイシーとの対話1 彼方への意志と覚醒をめぐって;スティーヴ・レイシーとの対話2 その六つの“時”と“場所” ほか)
3(『至上の愛』とコルトレーンの音楽の軌跡;『アセンション』の光と影または危機的な音楽と可能態の音楽への地平―六〇年代ジャズの“午後”試論 ほか)
4(『オリジネイション』の為の覚書とその断片;吉沢元治の未明または“空と破片”へのエスキス ほか)
著者等紹介
間章[アイダアキラ]
1946年8月18日、新潟県生まれ。音楽批評家。立教大学中退。在学中より批評・コンサート制作活動を開始。音楽雑誌、新聞、ライナーノートなどに、幅広い教養と独自のレトリックを駆使した文章を発表し、音楽批評にとどまらぬ多方面に大きな影響を与えた。72年、新潟でフリー・ジャズ、フォーク、ロックから日本の伝統音楽までを網羅する現代音楽祭「自由空間」を開催。その後も、フリー・ジャズ・ミュージシャン、インプロヴァイザーとの実践的なかかわりを深めていった。1978年12月12日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マッピー
10
原題は「クレジット払いの死」で、生まれ落ちたときから「死」に向けて少しずつ命を支払っていくのが人生、という意味でしょうか。作家である主人公のフェルディナンの、悲惨で、理不尽で、非衛生的でシュールな半生が、延々と書かれています。ストーリーは特になし。さらに暴力的なシーンとか、糞尿のシーンとかも多くて、脳がちっとも喜ばない。下巻読むのはどうしようかなあ…と思っていたはずなのに、うっかり図書館に予約してしまったから、きっと読むんだろうなあ。2023/11/12
hiratax
0
旅の携行本。ちょこちょこと読んでいたが旅の終わりが近づくにつれ急かされるように読む。ミュージシャンとの長い対話が中心。高柳昌行との離反を詩的な罵倒表現で綴っている。バンコク市内の地下鉄で読んでいたら、タイ語のネームプレートを付けた白人に、お前は日本人かと握手を求められた。さらに、現地で働いているらしき日本人女性2人組の会話も聞こえてきた。2014/03/18