“脱成長”は、世界を変えられるか?―贈与・幸福・自律の新たな社会へ

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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861824388
  • NDC分類 331.1
  • Cコード C0033

内容説明

欧州に広がる“脱成長”型ライフスタイル、中南米、インド、アフリカの農民・先住民による自律自治運動…グローバル経済に抗し、“真の豊かさ”を求める社会が今、世界に広がっている。“脱成長”の提唱者ラトゥーシュによる“経済成長なき社会発展”の方法と実践。

目次

もう一つの道、もう一つの声―アメリカ大陸の先住民たちの目覚めに学ぶ
第1部 「際限なき経済成長」という隘路からの脱出(生産力至上主義がもたらすカタストロフ;経済発展パラダイムを克服した社会の生活は、どのようなものか?)
第2部 “幸せ”と“経済学”―“経済”からの脱却をめざして(「贈与」の精神と「幸せの経済学」;“脱成長”思想の先駆者たち―イリイチ、デュピュイ ほか)
第3部 新たな社会変革への複数の道、複数の声(科学技術・経済発展と“自律社会”―カストリアディスの思想;地中海的ユートピアと“脱成長”)
第4部 “脱成長”は、世界を変えられるか?(“脱成長”は危機を解決するか?;“脱成長”の道)
日本語版付録 “脱成長”の美学

著者等紹介

ラトゥーシュ,セルジュ[ラトゥーシュ,セルジュ] [Latouche,Serge]
1940年生まれ。フランスを代表する経済哲学者・思想家。パリ南大学(オルセー)名誉教授

中野佳裕[ナカノヨシヒロ]
1977年、山口県生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業、英エセックス大学政治学部イデオロギーと言説分析修士課程修了、英サセックス大学社会科学とカルチュラル・スタディーズ研究科開発学博士課程修了。開発学博士(DPhil in Development Studies)。専攻:国際開発論、平和学、社会政治哲学。現在:国際基督教大学社会科学研究所助手・研究員。フランス国連経済社会理事会諮問機関NGO・PEKEA会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

27
10年初出。根本的なことは、世界の西洋化の最先端であるグローバリゼーションが、西洋人に重要なのは、経済から 抜け出す(傍点)こと(067頁)。脱成長と幸せの経済学は逆説的で脱成長の道は倫理学(087頁)。脱成長は、楽しみと分かち合いにあふれるものと形容(090頁)。脱成長の支持者が食事に関心を持っている。食べる行為は農的行為、政治的行為(190頁)。良く生きるための技法は世界と調和。芸術のある生活術(223頁)。共通善を地平に、矛盾と格闘する社会を組み立てること(227頁)。 2015/05/01

CCC

7
趣旨は分かる、ような気がするけれど、じゃあそれで現代の過剰さを捨てたとして、その場合自分たちは何を失う事になるのかというのが正直分からない。何を得られるのかというのも分からない。一体どうやって〈脱成長〉の理念を現実に取り込むのかも分からない。分からないことだらけだ。2014/07/18

Rusty

3
本文はあちこち飛んで分かりにくいが、訳者の解説が分かりやすい。功績としては、ハンナ・アーレントの「悪の陳腐さ」の概念を導入し、自己の利益のみを最大化することが無関心さによるものであり、相手の立場から想像しないことが外部に害悪をもたらすと明示したこと。と、ここで書いてても「当たり前だろう」と思ってしまうあたり、議論が浅い気もする。でもそんな単純なことができていない現実をいかに変えていくか。一つの案は「ローカルなもの」「生活世界」を基盤として政治・経済的活動を手の届く(把握できる)範囲で再設計すること。2014/09/01

シャンピニオン

2
理念はわかっている。帯には実践までと有ったので期待したが、結局如何に仕組みにするのか提示できていない。ビットコインのように仮想経済を組み立てられないか。KAITEKIみたいに。2013/02/10

Ishida Satoshi

1
読了。経済成長が人間を地球を幸福にするとは限らない、という前提での、現代の成長志向への警告書。脱成長をめぐる議論、概念や理論的背景をまとめ、経済成長への執着から解放された社会を作るめの再生プログラムや政策提案をしています。ただフランス語の翻訳の問題か、著者の壮大なスケールは理解できるものの、どこか詩的な表現が多くユートピアな印象も拭えなかったところ。これも自分自身含め社会が既に大量消費、競争、成長志向に毒されているからだろうか。著者が老荘思想など、東洋的な考え方にも言及している点は興味深いところでした。「

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