内容説明
独立自尊の平民主義の立場から、諷刺を武器に近代日本に楯突いた父と子。演歌の最高峰を極め放浪を続ける父、確執を越えて父を支え演歌の行末を看取る息子の、風狂二人三脚。
目次
１ 青年倶楽部
２ 社会主義伝道
３ 演歌組合
４ 売文社
５ 遍路笠
６ 「進め新体制」
７ 小説『教育者』
８ 素面の会
９ 独居生活
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
11
古本で購入｡リプロボートの「シリーズ 民間日本学者」といふ中の一冊。65冊リストアップされてゐるけれど、実際何冊出たのだらう。添田唖蝉坊・知道の名は知つてはいたが、だういふ人生を歩んだ人びとだつたかは、ほぼ知らなかつた｡読んでみると、「冬の時代」の社会主義を守つた堺利彦などとの繋がり(売文社周辺)などもわかり、興味深い。唖蝉坊のやうな天才肌では無いが、知道といふ人のスジを通す生き方にも惹かれるものがある。2018/06/02
