内容説明
29万頭もの牛豚が犠牲になった口蹄疫の惨事を、現場の最高責任者であった前農林水産大臣が、その詳細を書きあげた実名小説。知られざる口蹄疫の真実がある。
著者等紹介
山田正彦[ヤマダマサヒコ]
1942年長崎県五島・福江市に生まれる。早稲田大学在学中には、「早稲田キャンパス新聞」を創刊する。1969年司法試験に合格。長崎で司法の実務修習の時に、五島で牧場を開くため、荒れた山林、畑・10ヘクタールを農地取得金で購入し、牧場設立。第一次オイルショックで、牧場経営が大打撃を受ける。その後、長崎で本格的に弁護士活動を開始する。1993年、衆議院選挙に4度目の選挙にて初当選。2009(平成21)年8月衆議院議員選挙で五期目の当選、民主党が念願の政権交代を果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちゃま坊
6
2010年宮崎県で発生した牛豚の伝染病口蹄疫の記録。民主党鳩山政権時代、県知事は東国原氏。人への感染はないがやはり大きな災害だった。畜産だけでなく作物までも風評被害が出た。ワクチンで感染を免れても、貿易のルールで安楽死しなければならない悔しさ。農家、獣医師、行政官の苦悩が伝わってくる。2017/11/27
sho_kotsu
1
宮崎県での一連の口蹄疫災禍に、「大本営付派遣将校」として現地で指導・調整を行った山田元農水相の手記。派遣将校が現地で歓迎されないのは常だが、その中で東国原知事(当時)や市町村長との紆余曲折を経て終息までこぎつけた経緯を語る。主観的に書かれたものであり、それゆえに政治的配慮や自己弁護、過去の美化、情緒的な部分の誇張、後知恵バイアスがあると仮定してそれらを差し引いても、一連の流れを国の立場から見ることのできる、貴重な一次資料ではある。2012/01/09
huanghongyang
1
宮崎で口蹄疫が起き、広がっていった時の緊迫感を思い出した。山田氏は、宮崎県の対応に不満だったようだ。宮崎県人としては、多少むかつく記述もあったが、国の全面的援助があってなんとか押さえこめたので、何を言われても仕方のないところだろう。2011/08/20
栗たん
0
現場の緊迫感はかなり伝わったが、自分を美化するあたりはさすが政治家だなと感じた。2011/09/18