内容説明
『源氏物語』は、ことばにかかわる誰しもが、仰ぎみる高峰であろう。そのような『源氏物語』の達成とは何なのか。文学史上に、その達成はいかに定位されるのか。本書は、『源氏物語』の固有な達成を測る物差しとして、その肉体そのものというべき文体に視座をすえて論述したものである。
目次
序にかえて―『源氏物語』の達成表現と文体
第一部の想像力の基底
藤壷と「長恨歌」―引用による主題性の変容
『源氏物語』における継子譚の形態分析―玉鬘物語の解析のために
玉鬘十帖の興趣―法的実験と内発的生成力
草子地・語りについての一視角―作品形成における方法的意義
夕霧巻の引用論的解析―反復・変奏の方法、あるいは「身にかふ」夕霧
紫上終焉の方法―御法巻の表現構造
引用表現と構造関連をめぐって―第三部の表現構造
竹河巻官位攷―竹河論の序章として〔ほか〕
著者等紹介
池田和臣[イケダカズオミ]
東京生まれ。’78年東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。’78年茨城大学人文学部専任講師、’81年同助教授を経て、’93年より中央大学文学部教授。この間、東京大学文学部、成蹊大学文学部、聖心女子大学文学部などで非常勤講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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