内容説明
政党が溶けている。1993年に自民党一党優位体制が崩壊して以来、新党の登場と連立政権の成立、政治家の離合集散、首班選挙における造反行動などが繰り返し行われてきた。これまで政治学においては、政党を固定的な分析単位として扱ってきたが、この有効性が著しく弱まってきている。そこで現代日本政治を深く理解するためには、政党という単位を超えて、政治家個人まで還元して分析する必要が生じてきた。東大法学部における98年度蒲島ゼミのテーマを「現代日本の政治家像」とした理由は、この党政の融解現象にある。
目次
第1部 分析篇(全国会議員のイデオロギー調査;政治家の離合集散;再選戦略としての自民党入党行動;連立政権の成立と社会党のジレンマ・路線対立;自民党の役職人事と政策決定;連合野党の役職人事;変革期の争点と政治家 ほか)
第2部 証言篇(戦後政治と私)