目次
1 パナンペ・ウウェペケレ(川上の人と川下の人)
2 人間のウウェペケレ(石狩河口のニシパの話)
3 神のウウェペケレ(飢饉を司る神の話)
著者等紹介
北道邦彦[キタミチクニヒコ]
1935年北海道生まれ。1994年埼玉県立高等学校教諭退職。1996年釧路アイヌ語の会で共同学習。1997年~2001年早稲田大学語学教育研究所で受講。現在、早稲田大学語学教育研究所北方言語・文化研究会会員、同アイヌ語研究会会員
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感想・レビュー
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おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ
13
多くの現代人にとって遥か昔に失われてしまった「自然と一体化した営み」の風景がアイヌ口伝の謡のなかに生きて視える。北海道という島の土地と自然は長いあいだアイヌ民族が神を奉りながら護り続けてきたのだが、開拓という経済行為によって掘られ削られ穢され絶やされ、アイヌ民族の歴史や文化、言葉とともに多くが消失した。今では保護の名のもとに一部の姿を留めるばかりである。明治維新後「土人教育」による習俗の放棄と謂われなき差別により滅びゆくアイデンテティ、民族の「ことば」「こころ」を残そうと志した著者の若い逝去が惜しまれる。2014/02/28