内容説明
「アメリカ航空戦略の先覚者」ミッチェルの航空戦略論を詳細な用語解説・注釈で読む。エア・パワー国家となるための広範なビジョンを展開した主著『空軍による防衛』を初めて全訳。
目次
空軍による防衛、近代エア・パワーの可能性と発展―経済と軍事(航空の時代;航空の指導力はアメリカに移行しつつある;アメリカ空軍は航空機が艦艇を支配することを証明する;民間航空と商業航空 ほか)
解題・ミッチェルの航空戦略とその遺産(ミッチェルとエア・パワーの時代;第一次世界大戦;ミッチェルの航空戦略;エア・パワーの啓蒙 ほか)
著者等紹介
源田孝[ゲンダタカシ]
航空自衛隊幹部学校戦史主任教官。1951年生まれ。1974年防衛大学校卒業。航空自衛隊幹部学校指揮幕僚課程、同幹部高級課程修了。航空自衛隊幹部学校戦略教官、防衛大学校教授を経て2004年から現職。一等空佐(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mealla0v0
0
ウィリアム・〝ビリー〟・ミッチェルのユニークな点はドゥーエやトレンチャードの戦略爆撃思想をアメリカにおいて定着させたことと、飛行機一般が備えた「文明的」特徴を見ぬいていたことだろう。飛行機は前線を飛び越え銃後の深奥へと達する。ならば敵国の中枢を破壊することも容易いはずだ――しかし、それは相手にとっても同じこと。ここからミッチェルはドゥーエの爆撃偏重主義だけでなく空中戦の重要性も認識するようになる。だが、かれの後継者達は戦略爆撃を重視し、原爆投下やベトナムにおける枯葉剤へとその思想は流れていくことなった。2017/08/08
nakaji47
0
卓越した先見性を持った人物がアメリカ陸軍にいたものだと感心させられる。エア・パワー大国としてのアメリカのグランドデザインは、この頃に既に明確になっていたのか、と思った。2010/01/25