出版社内容情報
沖縄戦を主題に、戦場の記憶を語るとはどういうことかを問う試み。
戦場は、の日常のなかにある。
増補版では新たに三篇の論文とともに、書き下ろしの序文、および昨年韓国にて出版された際のハングル版序文を収録。
増補版序文
ハングル版序文
1 戦場を思考すること
2 戦場動員
3 戦場の記憶
4 記憶の政治学
補論
初版あとがき
増補版あとがき
増補版によせて
内容説明
沖縄戦を主題に、戦場の記憶を語るとはどういうことかを問う試み。増補版では新たに三篇の論文とともに、書き下ろしの序文、および昨年韓国にて出版された際のハングル版序文を収録。
目次
1 戦場を思考すること(日常から戦場へ;「日本人」になる;戦場動員;戦場を語るということ)
2 戦場動員(参加と規律化;帝国意識;「日本人」になるということ;戦場動員;戦場)
3 戦場の記憶(証言の領域;戦場体験;沖縄戦の記憶;虐殺の仕事;記憶の分節化;沈黙)
4 記憶の政治学(戦場から日常へ;記憶の政治学;最後に―「OKINAWA JINTA」)
補論(平和を作るということ;経験が重なり合う場所;裏切られた希望、あるいは希望について―文富軾『失われた記憶を求めて―狂気の時代を考える』をめぐる省察)
著者等紹介
冨山一郎[トミヤマイチロウ]
1957年、京都市生まれ。1997年より、大阪大学大学院文学研究科助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
makoppe
1
正直に言おう、メッチャ読みにくいです。でもすごく勉強になるところがたくさんあった。例えば沖縄を「近代化」するという政策と戦争の際の動員の同質性を、日常と戦場の連続性としてとらえる視点はとても面白かった。その他にも山ほど。いまのところ消化不良。また見直したい。でも冨山先生、すこし暴力についてナイーブすぎやしませんか? あんまり補論は好きになれません。2015/10/03
まつゆう
0
現在の沖縄を、戦場で「日本人」という想像上の共同体幻想が崩れる瞬間に定位させて見てみると、戦後もなお夢を裏切られた人達の語りは忘れられたままという点で戦場と記憶を一にしている。沖縄への愛着が結晶した一冊。2013/04/10