出版社内容情報
『読書人の没落』においてドイツ大学知識人の教育・文化・イデオロギーを解明
した著者が、世紀転換期のフランス大学知識人界の思想を、この時期の教育と階
層構造の変動を視野に入れつつドイツとの比較のもとに解明する知と教養の歴史
社会学。知の歴史社会学に新生面を拓く。
内容説明
『読書人の没落』においてドイツ大学知識人の教育・文化・イデオロギーを斬新な視覚から解明した著者が、世紀転換期のフランス大学知識人界の思想を、この時期の教育と階層構造の変動を視野に入れつつドイツとの比較のもとに解明する知と教養の歴史社会学。知の歴史社会学に新生面を拓く。
目次
知識人界・思想史・知識社会学
教育・中産階級・知識人
教育=教養の意味
新たなフランスの大学
歴史学と社会学にみられる教育改革の影響
解釈としての教育
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
14
教養とは支配集団を他の集団から区別するもの。高等教育はその教養を付与するもの。これはドイツもフランスも変わらない。だがドイツでは大学が君主制官僚国家と一体化したのに対して、フランスではブルジョワジーが高等教育機関を植民地化した。ラテン語・ギリシャ語古典の解釈を中心とする伝統的カリキュラムがより科学的な近代プログラムの挑戦を受けたとき、この違いが異なる反応を生んだ。フランス知識人にとって「科学」「実証主義」「社会史」などという語は共和制支持と密接な関係があった。ドイツ読書人はそのいずれにも否定的に反応した。2022/01/31