出版社内容情報
本書は、ヴォルテール、モンテスキューに始まり、ディドロ、エルヴェシウス、
ルソー、チュルゴを経て、コンドルセやロベスピエールに至る18世紀フランス
啓蒙思想がフランス革命に流れこみ更には19世紀思想へと連なる過程を、統一
的かつ比較思想史的に確定する。
内容説明
本書は、18世紀フランス啓蒙思想において、社会と個人の近代的関係がどのようにして論理的に導出されていったかに焦点をしぼり、そこにおいてフランス革命を必然として要請するような社会観が生誕していく過程を、追求する。
目次
第1章 啓蒙的社会像の生成(モンテスキューと社会の啓蒙;ヴォルテールと人間の幸福;唯物論と感覚論における人間と社会;啓蒙的社会像とその問題性)
第2章 フランス道徳哲学の水脈―感覚と感情の道徳(ディドロの道徳哲学;ディドロとエルヴェシウス;ルソーにおける徳と文明;フランス道徳哲学の隘路)
第3章 啓蒙的社会像の展開―人間の原理と自由な社会の探求(チュルゴと改革の王国;チュルゴ改革期のコンドルセ;敗北と新しい予感)
第4章 フランス市民社会論の成立―スミスとコンドルセ夫妻(文明と民主主義;分業の概念と社会認識;コンドルセ夫人の道徳哲学;フランス革命期の市民社会像;市民社会と教育)
第5章 フランス市民社会論の相克―革命期コンドルセにおけるJ・J・ルソー問題(国家の道徳と社会の道徳;人間の道徳における未開と文明;国民的道徳の歴史的生成)
終章 総括と展望―19世紀市民社会論への遺産(18世紀フランス市民社会論の反省;フランス革命思想史のコンドルセ)