内容説明
グローバル化の中で、移民受け入れ国における市民権政策を中心とした移民政策の現状と課題について分析し、多民族社会における民族共存の条件をめぐる諸問題を比較検討する。とくに定住外国人に対する日本の市民権政策のあるべき道筋を模索し、基本的な政治のあり方を考えて行く上で多くの価値ある示唆を与える。
目次
国民国家の「変容」と外国人参政権問題
帝国の変容と「外国人」参政権―イギリスにおける市民権変遷と参政権の関連に注目して
フランスにおける移民の社会統合と共和国理念―政治文化論的考察
「ドイツ」概念のヨーロッパ的変容―「ヨーロッパ人」の参政権問題との関連から
オーストリアにおける外国人の政治参加問題―統合の論理と同化の論理
バルト諸国の市民権政策とロシア語系住民問題―政治的「排除」から「編入」への途
アメリカにおける定住外国人参政権の歴史と現状―移民とデモクラシーの国における統合と排除の相克
タイにおける外国人の政治的権利
内なる国際化へ向かって―タイのグローカリゼーション
在日韓国・朝鮮人問題と外国人参政権―錯綜する理論的根拠とその原因
日本における外国人政治参加の現状―多文化共生を目指す自治体の取り組みを中心に
近代民主主義と近代国家の狭間に落ち込んだ尊厳―外国人参政権の意味
著者等紹介
河原祐馬[カワハラユウマ]
1960年兵庫県生まれ。京都大学大学院法学研究科修士課程修了。岡山大学法学部教授。専攻は国際政治学、ロシア・東欧地域研究
植村和秀[ウエムラカズヒデ]
1966年京都府生まれ。京都大学法学部卒業。京都産業大学法学部教授。専攻はドイツ政治思想史・ナショナリズム研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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